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 2019年12月21日、MLBとMLB審判員協会(MLBUA)が5年間に及ぶ新たな労使協定で合意したことが明らかになった。その中で特に注目されているのが、ボール・ストライクを自動判定する「ロボット審判」の開発とテストを行うことで、MLBUAがMLBに協力するとした点だ。

MLBとMLB審判員協会(MLBUA)の5年間に及ぶ新たな労使協定の合意を伝えるプレスリリース
MLBとMLB審判員協会(MLBUA)の5年間に及ぶ新たな労使協定の合意を伝えるプレスリリース
(図:MLB)
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 これは「オートメイテッド・ボール・ストライク・システム(ABS)」と呼ばれるもので、基本となっているのは「トラックマン」(デンマークTRACKMAN)だ。トラックマンは元々軍事用だった3次元ドップラーレーダーを応用し、投球の速度や回転数、変化量、さらに打球の速度や打ち出し角度などを算出できるシステム。MLBでは全30チームのスタジアムに設置されており、ボールや選手の動きを追跡してデータ化するトラッキングシステム「STATCAST(スタットキャスト)」の中核技術として使われている。日本のプロ野球でも11チームが採用しているほどポピュラーな存在だ。

 そのトラックマンを使用し、MLBの技術チームは入力されたXYZ座標からボールとストライクの判定に変換するソフトを数カ月かけて開発。MLBが提携した米独立リーグのアトランティックリーグが2019年7月に開催したオールスターゲームで初使用された。ABSはさらに、同リーグのシーズン後半と毎年オフシーズンに行われるMLB傘下の教育リーグ、アリゾナ秋季リーグでも使用されている。

 ABSについてロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは、2020年11月にいくつかのマイナーリーグの試合で使用されるだろうと発言しており、通信社のAPの報道によれば1Aのフロリダステート・リーグで試験導入される見込みだという。そこでうまくいけば2021年に3Aで導入されるだろうとした。MLBへの導入は早ければ2022年という可能性もある。

米独立リーグのアトランティックリーグのWebページ
米独立リーグのアトランティックリーグのWebページ
(図:アトランティックリーグ)
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