全2379文字
PR

 米国時間の2020年2月2日、フロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムでプロアメリカンフットボールNFLの2019年シーズン優勝決定戦「第54回スーパーボウル」が開催され、カンザスシティ・チーフスがサンフランシスコ・49ersを破って50年ぶりの優勝を決めた。

 スーパーボウルは米国最大のスポーツイベントで、毎年超満員となる。多数の観客が同時にスマホでコンテンツを消費するため、ワイヤレスの“実験場”という側面もある。

市民ブロードバンド無線サービスを実験

 そうした中で今回注目されたのが5Gである。2019年4月に米国でモバイル向け5Gを開始し、現在マイアミを含む34都市の一部でサービスを展開している米ベライゾンは今回、「初の5Gスーパーボウル」を謳ってPRに務めた。

ベライゾンのスーパーボウルに関するリリース
ベライゾンのスーパーボウルに関するリリース
(図:ベライゾン)
[画像のクリックで拡大表示]

 NFLの公式ワイヤレススポンサーであるベライゾンは、スタジアム内で全ての携帯キャリアを使用できるように「DAS」と呼ばれる分散型アンテナを、座席下を中心に1500以上設置した。このDASは5G対応で、電波の到達距離の短さからつながらない場所はあったものの、ほぼスタジアム全体をカバーしたという。さらに2年前に対応部署をマイアミに設置し、ホテルや主要な観光エリアもカバーできるよう約8000万ドルを投じて基地局の設置や光ファイバー網を整備したとのことだ。

 スタジアム内の9つのスイートボックスのみだったが、周波数免許が不要の市民ブロードバンド無線サービスである「CBRS」の実証実験も行われた。これは共有できる最大150MHz(3.55GHz帯~3.70GHz帯)という大きな帯域をノン・キャリアに割り当てるというものだ。ベライゾンは来年のスーパーボウルでCBRS展開を拡大する予定としている。

 さらに来場者向けのアプリには、初めて5G専用機能も追加した。このアプリでは4Gでもスタジアム内の飲食スタンドやトイレの場所を案内する機能が利用できたが、5G対応端末なら5つのアングルから撮影された試合の映像をリアルタイムに視聴できるようになっていた。さらにその映像にAR(仮想現実)で選手のデータを重ね合わせて表示できる機能まであった。ベライゾンによれば、5Gの契約者専用のアプリを開発したのはこれが最初だという。

 また試合を全米テレビ中継した米Foxと提携し、サイドラインのカメラが撮影した映像を5G回線を使って伝送する実証実験も行っている。

 マイアミのダウンタウンで開催されたイベントでは、やはり360度画像などを使った映像体験ができるアトラクションも設けられ、連日にぎわったようだ。いずれも超高速・超低遅延・大容量という5Gの特徴をアピールする内容になっているのが特徴だ。