新型コロナウイルスの感染拡大によって、様々な面で大きな影響を受けた米国のスポーツ界。今そこで、若いファンの獲得とエンゲージメントを強化するため、ショートビデオSNSプラットフォームを巡る競争が激しくなっている。
まず、写真や動画の共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」を提供する米Snap(スナップ)は2020年6月、プロアメリカンフットボールNFLやプロバスケットボールNBAとの提携契約を複数年にわたって更新した。Snapchatの特徴は動画や写真を簡単に投稿でき、表示される期間を指定できる点にある。指定さえすれば、これまでのSNSのように一度投稿したら、いつまでも残るということがない。こうした機能がユーザーに受け、16年ごろから10代の若者を中心に人気となっている。現在、同種のSNSの中では老舗的存在である。
現在、レギュラーシーズンが展開されているNFLでは、スタジアムのロッカールームにいるようなAR(拡張現実)画像を生成できる「レンズ」と呼ばれる機能が提供されている他、試合日ごとに更新されるハイライトショーや舞台裏などを紹介する番組の配信が行われている。
NFLでソーシャルおよびインフルエンサーマーケティングを担当するイアン・トランベッタ副社長は「Snapchatは我々にとって、とても重要な役割を担っています。新規、そして若い視聴者をどうやって取り込むのか、(Snapchatなど)それぞれのプラットフォームに最適な方法でどう行うかを常に考えています」と話す。
Snapによれば昨シーズン(19~20年シーズン)はNFLコンテンツの視聴数が前年比で80%増え、その90%は35歳以下だったという。