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 米国では近年、ハイテクやIT(情報技術)産業が拡大しているにもかかわらず、そうした職種への就業希望者が不足していることが問題になっている。いわゆる「理系離れ」への懸念が広がっていることから、科学(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、数学(Mathematics)の分野を集めた「STEM(ステム)」、さらに芸術(Art)を加えた「STEAM(スティーム)」に小学生から高校生の段階で慣れ親しませる取り組みが行われている。中でも、スポーツをきっかけにしようとする活動が盛んで、そこに焦点を絞った活動も出てきた。

 スポーツ関連テクノロジー、いわゆる「スポーツテック」業界で働く女性を中心に活動している団体、ウーメン・イン・スポーツテック(WiST)は2020年10月、11~18歳の女子中高生に幅広いキャリアを紹介する活動「WiST Next Gen」を開始した。Next Genは次世代という意味である。

「WiST Next Gen」のWebページ
「WiST Next Gen」のWebページ
(図:WiST)
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 WiSTはスポーツテックとイノベーションの分野で、キャリアのあらゆる段階にいる女性に対して変革的な成長の機会を提供し、また、中高生の若い女性に業界での幅広いキャリアパスを紹介することをミッションとして掲げている。これまでインターンシップから役員レベルまで、幅広いキャリアの女性にキャリアアップのための啓蒙活動などを行ってきた。

 主要メンバーには米インテルスポーツのマーケティングマネジャーや、米プロアイスホッケーNHLサンノゼ・シャークスのビジネス分析兼テクノロジー担当副社長、米プロバスケットボールNBAのスタッツテクノロジープロダクト開発担当者などが名を連ねる。

 WiST Next Genはその活動をSTEAMにまで広げた形で、第1弾としてオンライン学習動画、ウェビナーの「Discover SportsTech!」シリーズの配信が行われている。若い女性がSTEAMクラスで教育を続けることを促すだけでなく、スポーツへの継続的な参加を奨励することを目的に、スポーツテック産業でのキャリアについて語られる内容だ。

 元マラソン選手で現在スポーツコンサルティング会社の社長も務めるマリロー・マクファーレンWiST代表は「WiST Next Genは、業界で活躍する女性や、まだ十分に活躍していないグループを支援し、発展させていくというWiSTのミッションの自然な延長線上にあります。スポーツテック業界で活躍する多様な人材のパイプラインを構築することで、今後も飛躍に成⻑していくでしょう」と話す。さらに、「Discover SportsTech!」について「私もスポーツと数学が好きでしたが、⼤⼈になったら何になりたいのか分からなかったし、同じような情熱を持ったロールモデルもいませんでした。もし10代の頃に、スポーツテック業界のエキサイティングなキャリアの機会に直接触れることができていたら、人生を変えるものになったでしょう」とその意義を強調している。