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 米国のスポーツ界と音声SNSの結びつきが急速に強くなっている。プロアメリカンフットボールNFLは現地時間2021年4月29日から5月1日まで開催されたドラフトに合わせ、4月26日に日本でもブームとなった音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」との提携を発表、同日から配信を開始した。クラブハウスがメジャースポーツリーグとパートナーシップ契約を結ぶのはこれが初めてだ。同社は4月初旬にスポーツでのパートナーシップ担当責任者を雇用したばかりだった。

ClubhouseのNFLアカウントのWebページ
ClubhouseのNFLアカウントのWebページ
(図:Clubhouse)
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 NFLのクラブハウスアカウントでは開設直後からファンがドラフト候補者の評価を聞いたり、モックドラフトに参加したりできるオーディオルームを開催。ドラフトが開始されるとドラフト指名の実況や選手、コーチ、メディア関係者の反応を聞くことができた。さらに一部のクラブハウスのメンバーは、ドラフト期間中に指名された選手に対して質問をしたり、感想を述べたりできるようにもなっていた。今後も様々な配信やチャットが展開されていくもようだ。

 一方でスポーツ関連の音声SNS取り込みに熱心なのが音楽配信サービスの「Spotify(スポティファイ)」だ。20年2月、スポーツとポップカルチャーのウェブサイトと音声配信のポッドキャストネットワークを展開する「The Ringer(ザ・リンガー)」を1億9500万ドルで買収した。ザ・リンガーはウェブサイトでスポーツやテレビなどのニュースやコラムを掲載する一方で、NFLやプロバスケットボールNBAなどをテーマにした膨大なポッドキャストを展開しているのが特徴だ。

Spotifyが買収した「The Ringer」
Spotifyが買収した「The Ringer」
(図:The Ringer)
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 さらにスポティファイは21年3月30日、スポーツ専門音声SNS「Locker Room(ロッカールーム)」とその親会社Betty Labs(ベティ・ラボズ)の買収も発表している。ロッカールームは20年10月にスタートしたばかりのサービスで、スポーツのニュースや噂話などをテーマにホストとリスナーの間でライブで音声チャットができるようになっている。マイアミ・ヒートのアンドレ・イグダーラやブルックリン・ネッツのケビン・デュラントなどNBAのスター選手や元選手が会社設立時に出資者に加わっていたことから、スター選手が配信に出演するなどNBAを得意としていた。

 スポティファイはロッカールームについてザ・リンガーのようにスポーツだけでなく音楽やポップカルチャーの分野にまで拡大させる計画のようだ。またクリエーターがコンテンツに課金できるようにするなど収益モデル化も行われると見られている。これまでは承認されたクリエーターだけが会話をホストできたが、今後は誰でもホストできるようにしていくということだ。スポティファイとロッカールームのアプリは統合せず、独立したままになるという。