AR(拡張現実)やVR(仮想現実)をフィットネスに活用するサービスへの参入が拡大している。
ARコンタクトレンズを開発する米Mojo Vision(モジョビジョン)は2022年1月3日、4500万ドルの資金を調達したと発表した。同社への出資総額は2億500万ドルに達している。
同社が開発する「Mojo Lens」は、コンタクトレンズの内側に光を網膜に集める小さな光学系を備えたディスプレーやワイヤレスリンクと、目の動きを感知するモーションセンサーを搭載する。スマートフォン(スマホ)などの外部端末とワイヤレスで通信ができる。ユーザーインターフェースや画像の処理は外部端末が担う。これにより、ユーザーの自然な視野を完全に妨げずに、フィットネスパフォーマンスのデータとARグラフィックスをオーバーレイすることができるとしている。
今回の出資には、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)のAlexaファンドや米Motorola Solutions(モトローラソリューションズ)、米Dolby Family Ventures(ドルビー・ファミリー・ベンチャーズ)などが参加している。中でも、AR、ウエアラブル、フィットネストラッキングを融合した技術の開発を支援する新しいフィットネスパートナーとして、スポーツ用品メーカー大手のドイツadidas(アディダス)が加わったことが注目されている。アディダスは自社のトレーニングアプリ「Runtastic」のエコシステムにMojo Lensを統合することを目指すようだ。
この件についてMojo Visionの製品およびマーケティング責任者であるスティーブ・シンクレア氏は、「目標はこれらのコラボレーションが、よりアクセスしやすく、その瞬間に有用なパフォーマンスデータを持つ、まったく新しいフォームファクタをアスリートに提供することです」とコメントしている。