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「この会議の予定を彼女に送って」
「はい、キックオフミーティングの予定を転送しました」
「おっと、会議の後にバースデイケーキをピックアップする時間を30分取れるかな」
「もちろんです。4時にケーキをピックアップする、でいいでしょうか?」
米マイクロソフトのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)は2019年5月6日(米国時間)、同社が主催する開発者会議「Microsoft Build 2019」の基調講演に登壇し、新規に開発している対話型AIのデモ動画を紹介した。
MSが2018年5月に買収した米セマンティックマシンズ(Semantic Machines)の技術をベースに、研究開発部門「Microsoft Research」の研究チームと共に対話型AIの開発を進めている。
セマンティックマシンズは米スタンフォード大学と米カリフォルニア大学バークレー校の自然言語AI研究者や、元アップルや元グーグルのAIアシスタント開発者などが参加するスタートアップ。会話の文脈を把握して繰り返しの対話にも柔軟に応答できる技術を持つ。
ナデラCEOは基調講演で、自然な会話を通じて他のメンバーとのスケジュール調整などを実行するデモを見せた。「既存のAIアシスタントの大半はコマンドシステムであり、最初に(Amazon Alexaなどの場合は)呼び出すスキルの名前を言って会話のドメイン(領域)を指定する必要があった。将来の対話型AIはスキルの呼び出しが要らない、真にクロスドメインなシステムになる」(ナデラCEO)。