インターネットは今や生活インフラの1つと言える。普段の生活で利用しない学生はいないだろう。では就活生の人気が高いネット企業はどこか。日経コンピュータと楽天の口コミ就職情報サイト「楽天みん就」が実施したIT業界就職人気ランキングを基に見てみよう。
IT業界の総合ランキング上位10社のうち実に4社をネット企業が占めた。楽天が2位(昨年は4位)、グーグルが4位(同3位)、ヤフーが6位(同8位)、LINEが9位(同12位)だった。グーグルは昨年から1つ順位を下げたがその他3社は軒並み順位を上げた。
楽天は「楽天市場」が中心のEC(電子商取引)と、銀行やカードといったFinTech事業を両輪に成長を続ける。2018年度は初めて売上高が1兆円を超えた。
海外志向に関する意識調査では、同社を志望する学生のうち「機会があれば長期間の海外勤務や海外企業への転勤を希望する」と答えた学生の割合は約42%と他の3社に比べて最も多かった。2012年に社内の公用語を英語にしたことなどが影響しているとみられる。
ネット企業では人材の争奪戦も国境を越えて激しさを増す。相手はGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)など世界のIT大手だ。
ヤフーの遠藤禎士コーポレートPD本部採用部長は「採用できなくなる危機感は常に感じている」と話す。同社は学生と社員が1対1で話し合う「1on1」制度を導入し、入社前に互いの理解を深める工夫をしている。学会や論文発表を重ねて研究熱心な学生との関わりも強めてきた。