全3008文字
PR

 2020年は日本で5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが始まることから、サービス開始に合わせて携帯電話各社から5Gスマートフォンが多数登場するとみられる。だが5Gスマートフォンの販売が伸びて盛り上がるのは2020年の後半からだと考えられる。その鍵を握るのは低価格スマートフォンとiPhoneだ。

当初の5Gスマートフォンは高い価格がネック

 かねてより関心が高まっている5Gの商用サービスが、いよいよ2020年3月ごろには日本でもスタートすると見られている。そして5Gのサービス開始と同時に注目を集めると見られているのが、5Gに対応したスマートフォンである。

 2010年にNTTドコモがLTEを用いた通信サービス「Xi(クロッシィ)」を開始した当初は、携帯電話やスマートフォンではなく、データ通信専用の端末のみを提供していた。だが5Gの場合、海外で既に商用サービスが始まっており、幾つかのメーカーが対応するスマートフォンを市場に投入していることから、5G端末の充実度合いは4Gのときに比べて段違いとなっている。

 実際、スマートフォンで世界最大手の韓国サムスン電子は、2019年に「Galaxy S10 5G」をはじめとして5G対応スマートフォンを5機種投入しており、韓国のLGエレクトロニクスや中国ファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies、華為技術)なども既に5G対応スマートフォンを投入している。またシャープやソニーモバイルコミュニケーションズなどの日本メーカーも、日本での5Gサービス開始に合わせて5G対応スマートフォンを投入するとみられる。

5G商用サービスに合わせ、国内メーカーも5G対応スマートフォンを投入するとみられる。写真は2019年12月24日の「SoftBank ウインターカップ2019」に合わせて実施されたソフトバンクの5Gプレサービスで使用された、シャープ製の5G対応スマートフォン試験端末(筆者撮影)
5G商用サービスに合わせ、国内メーカーも5G対応スマートフォンを投入するとみられる。写真は2019年12月24日の「SoftBank ウインターカップ2019」に合わせて実施されたソフトバンクの5Gプレサービスで使用された、シャープ製の5G対応スマートフォン試験端末(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

 そうしたことから日本でも、サービス開始当初から5G対応スマートフォンが多数投入され、多くの人が手軽に5Gを体験できる環境が整えられることは間違いない。とはいうものの、5Gのサービス開始直後に投入されるスマートフォンを、多くの人が購入するとは考えにくいというのが筆者の見立てである。

 その理由は、現在提供されている5Gスマートフォンが高額であること。海外の事例を見ても、5G対応スマートフォンはハイエンドモデルに限定されており、7万〜10万円はするのが一般的である。加えて、日本でサービス開始当初に投入される5G対応スマートフォンも、先進性をアピールするため高性能な端末を前面に打ち出す可能性が高いことから、同様に高価格帯の端末が多く投入されると考えられる。

 国を挙げて5Gの普及を促進している韓国のように、5G対応スマートフォンの大幅な値引きが実施されなければ、日本国内の消費者が手にするのは難しいだろう。だが日本では2019年の電気通信事業法改正によって、スマートフォンの値引きには非常に厳しい規制がかけられたことから、当初5G対応スマートフォンの販売は伸び悩むことが確実だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料