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MVNOが要望書、だがスタックテストなどに時間がかかる

 そこでテレコムサービス協会 MVNO委員会は、2021年1月18日に緊急措置を求める要望書を提出。データ通信の接続料の可及的速やかな引き下げに加え、音声通話の卸料金見直しによる低廉化、そしてMVNOの低価格通話サービスを利用しやすくする「プレフィックス番号自動付与機能」の早期実現を要望している。

 そしてもう1つの要望が「イコールフッティングを担保するルールの在り方について」である。具体的には携帯電話大手とMVNOが同じ条件で設備を利用できることの担保を求めている。とりわけ廉価プランに関しては、利用者の料金とMVNOに対するデータ通信接続料や音声卸料金との関係を検証し、不当な水準となっているかどうかを確認する「スタックテスト」の実施を求めているようだ。

 スタックテストは固定通信は実施されているが、モバイルでは実施されておらず、現在実施に向け総務省で検討が進められている。武田良太総務大臣も2021年1月26日の記者会見で、接続料の適正化に向けてスタックテストが「1つの有効な手段になり得ると考えている」と話すなど、前向きな取り組みが進められているようだ。だが、まだ議論の最中ということもあって実施にはまだ時間がかかるとみられている。

 一方でMVNOが廉価プランに対抗して競争力のある料金プランとサービスを提供するには、大手各社の新料金プランが本格投入される2021年2〜3月から大きく間を空けずに、アクションプランを上回る接続料や音声卸料金の引き下げのめどを立てることが必要だろう。

 それだけ短期間のうちに接続料の劇的な引き下げを求められれば、回線を貸す側の携帯電話大手の業績にも響いてくるだけに3社が素直に受け入れるとは考えにくい。また各社との調整が長引けばスタックテストの実施、さらには接続料低減に向けた議論そのものが停滞する可能性もある。

総務省「接続料の算定等に関する研究会」の第40回会合における総務省提出資料から引用。総務省では接続料の適正化に向け、固定通信に導入している「スタックテスト」をモバイル通信でも実施するべく議論を進めているが、現時点ではまだ実現に向けた議論の最中だ
総務省「接続料の算定等に関する研究会」の第40回会合における総務省提出資料から引用。総務省では接続料の適正化に向け、固定通信に導入している「スタックテスト」をモバイル通信でも実施するべく議論を進めているが、現時点ではまだ実現に向けた議論の最中だ
(出所:総務省)
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