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 中国のスマートフォンメーカーが圧倒的なコストパフォーマンスを武器に日本で事業拡大を推し進めている一方、非常に厳しい立場に立たされているのが国内のスマートフォンメーカーだ。競争上不利な立場にある国内メーカーは生き残りをかけて法人事業の開拓に力を注いでいるようだが、功を奏するのだろうか。

FeliCa搭載で2万円を切る5Gスマホが登場

 中国の小米科技(シャオミ)は2021年2月2日、日本向けの新製品発表会を開催。スマートウオッチなどの新製品を発表したが、注目を集めたのはやはりスマートフォンである。

 同社はこの発表会で2機種のスマートフォンを発表し、中でも話題となったのが「Redmi Note 9T」だ。これは2020年にシャオミが日本のSIMロックフリー市場に投入し、低価格で人気となった「Redmi Note 9S」の後継となる5G(第5世代移動通信システム)対応スマートフォンなのだが、発表内容を見ると驚いたポイントが3つある。

ソフトバンクが販売するシャオミ製のスマートフォン新機種「Redmi Note 9T」。FeliCa搭載などのカスタマイズを加えながら、2万円を切る価格を実現した
ソフトバンクが販売するシャオミ製のスマートフォン新機種「Redmi Note 9T」。FeliCa搭載などのカスタマイズを加えながら、2万円を切る価格を実現した
(出所:シャオミ)
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 1つ目はソフトバンクによる独占販売だ。シャオミは日本に進出してまだ1年程度だが、2020年にKDDIへ「Mi 10 Lite 5G」を供給したのに続いて、携帯大手の一角であるソフトバンクにも製品を供給することとなり、その進出スピードの速さには驚かされる。

 2つ目は日本市場に向けてFeliCaを搭載するというカスタマイズを施したこと。シャオミは日本市場によりコミットするため日本でニーズの高いFeliCa搭載モデルを2021年に投入すると宣言していたが、それをRedmi Note 9Tで早々に実現したこととなる。

 そして3つ目は価格である。Redmi Note 9Tのソフトバンク直営店での価格は1万9637円(税別)と、2万円を切る価格を実現しているのだ。2019年に改正された電気通信事業法の端末値引き規制にも抵触しないことから、ソフトバンクではこれを番号ポータビリティーでの乗り換えユーザーなどに対して1円で販売するとしている。

 ただRedmi Note 9Tが海外で発表された際の価格は、日本に投入されるのと同じストレージ64GBのモデルで229ユーロ(約2万9000円)。さらにFeliCaの搭載というカスタマイズが加わるとなると、本来はもっと高い価格になるはずだ。日本に進出して間もないため端末販売数が多い携帯大手3社との関係を強化したいシャオミと、5Gの普及に向け低価格で販売できる端末を欲していたソフトバンクの思惑もあって、これだけの低価格が実現したと考えられる。