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 2020年3月に入って楽天モバイルが本格サービスに向けたサービス内容を、ソフトバンクやNTTドコモが5Gの商用サービスの内容について発表するなど、携帯電話各社の新たな取り組みが注目を集めている。だがそれらの内容からは、エリア整備に課題を抱えたまま見切り発車で本格サービスを開始せざるを得ない、各社の苦悩も見えてくる。

自社エリア外で不満が大きい楽天モバイルの料金プラン

 2020年3月は携帯電話大手の5G商用サービス開始や、楽天モバイルの本格サービスに向けた料金プランの発表など、携帯電話業界で大きいイベントが相次いで実施された。新型コロナウイルスの影響で各社とも発表会にメディアを呼べず、インターネット配信のみという限定的な形となってしまったのは残念だが、それでもいくつかの企業は予定通りのサービスを発表している。

 最初に発表会を開催したのは楽天モバイルだ。同社は2020年3月3日に発表会を実施し、現在は実質的な試験サービスにとどまっている携帯電話事業に関して、2020年4月8日に本格サービスを開始することを明らかにするとともに、その料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」を打ち出したのだ。

楽天モバイルの携帯電話事業の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の概要。月額2980円で、楽天モバイルのネットワーク内ではデータ通信が使い放題となる。画像は2020年3月3日に実施された楽天モバイルのオンライン発表会のスクリーンショット
楽天モバイルの携帯電話事業の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の概要。月額2980円で、楽天モバイルのネットワーク内ではデータ通信が使い放題となる。画像は2020年3月3日に実施された楽天モバイルのオンライン発表会のスクリーンショット
(出所:楽天モバイル)
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 Rakuten UN-LIMITは月額2980円で利用でき、楽天モバイルのネットワーク内であればデータ通信が使い放題となる。また「Rakuten Link」という専用アプリを使うことで、通話やSMSも使い放題になるという。大盤振る舞いな内容に見えるが、発表直後に大きな問題点が指摘されている。

 その問題点とは、現在のところ楽天モバイルのネットワークが利用できるエリアは非常に狭く、東京都や大阪府など都市部の一部地域に限定されていることだ。それ以外のエリアでは、提携しているKDDIのネットワークにローミングして利用するのだが、その際はデータ通信が使い放題にならない上、通信量の上限が2GBと大幅に制限されてしまう。

現状、楽天モバイルのエリアは都市部の一部に限られており、それ以外の大部分はKDDIのネットワークにローミングして賄っている。画像は2020年3月3日に実施された楽天モバイルのオンライン発表会のスクリーンショット
現状、楽天モバイルのエリアは都市部の一部に限られており、それ以外の大部分はKDDIのネットワークにローミングして賄っている。画像は2020年3月3日に実施された楽天モバイルのオンライン発表会のスクリーンショット
(出所:楽天モバイル)
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 しかも現状、楽天モバイルのネットワークがカバーしている地域であっても、地下や建物内は整備が進んでおらず、やはりKDDIのローミングで賄っている状況だ。それゆえ、例えば楽天モバイルのエリア内だからと油断して地下鉄や屋内などで動画を見ていると、実はKDDIのローミングエリアで通信しており、いつの間にか2GBの容量を消費して通信速度が128kbpsに落ちてしまう、というケースも十分起こり得るだろう。

 そうしたことから楽天モバイルは「my楽天モバイル」というアプリで、楽天モバイルとKDDIのどちらの回線に接続しているか確認できる仕組みを用意するとしている。だが消費者の立場からしてみれば確認する手間がかかり、安心して使い放題を利用できない不安が残る。