韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2023年2月28日、「Samsungオンラインショップ」を開設すると発表、それに伴いブランド名の表記も「Galaxy」から「Samsung」へと改めることを発表している。同社の日本事業にとって非常に大きなブランド戦略転換となるが、その理由はポジティブとネガティブの両面にあるといえそうだ。
オンラインショップ展開を機にブランド戦略を転換
スマートフォン市場で世界最大手のサムスン電子は、スマートフォンなど自社のスマートデバイスに「Galaxy」ブランドを付けて展開しているが、日本で同社はそのGalaxyブランドを、スマートデバイスだけでなく企業そのものを示すブランドとしても使っていた。
実際同社製のスマートフォンを見ると、海外モデルでは背面や起動時のロゴ表記に「Samsung」のロゴが用いられるのだが、国内向けモデルではそれが全て「Galaxy」のロゴに置き換えられている。またこれまで自社WebサイトやテレビCMのスポンサー表記などにも、「Samsung」ではなく「Galaxy」のブランドを用いており、意図的にGalaxyブランドを際立たせサムスン電子であることを隠してきた経緯がある。
だが2023年2月28日、同社はその企業ブランド表記に関して大きな転換を打ち出している。それは自社独自のオンラインショップ「Samsungオンラインショップ」を開設したことだ。
このオンラインショップでは「Galaxy Watch」「Galaxy Tab」など同社のスマートデバイス製品を販売するという。オープン市場(いわゆるSIMフリー市場)向けに販売されている「Galaxy M23 5G」なども扱われるようだ。もちろん同社がそうしたショップを展開すること自体不思議ではないのだが、それをあえてGalaxyブランドではなく、Samsungブランドで展開したことには驚きがある。
加えて同社は、このオンラインショップ設立を機に会社ブランド名の表記、および呼称をGalaxyからSamsungに変更することも発表している。既にWebサイトなどはGalaxyではなくSamsungブランドに変更されているほか、Galaxyシリーズのスマートフォン利用者向けアカウント「Galaxyアカウント」や、専用アプリ「Galaxy Members」などの名称も2023年春頃のアップデートで順次ブランドを切り替えていくという。
先にも触れた通り、同社は従来サムスン電子のブランドをあえて徹底的に隠す戦略を取ってきた。それがなぜ、現在のタイミングでSamsungブランドを前面に打ち出す方針へと切り替えたのだろうか。