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 楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で、月当たりの通信量が1GB以下であれば月額0円で利用できる仕組みを廃止したことが大きな話題となっている。その代替サービスとして、同じく月額0円から利用できるKDDIの「povo 2.0」が人気となっているようだが、総務省の議論などでは月額0円であること自体が「価格圧搾だ」という意見もあり、必ずしも安泰とは限らない。いわゆる「0円プラン」は今後存続できるのだろうか。

新料金プランで「月額0円」を廃した楽天モバイル

 菅義偉前首相の携帯料金引き下げ政策によって、2021年は携帯電話各社が従来より安価な料金プランを提供するなど、大きな動きが相次いだ携帯電話料金。菅氏の首相退任によってその動きは落ち着きを見せていたのだが、2022年5月13日に楽天モバイルが新料金プランを発表して波紋を呼んでいるようだ。

 その理由は、ひと言で表すならば「月額0円の廃止」である。楽天モバイルが2022年7月1日より提供予定の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は、大まかに言えば現行の「Rakuten UN-LIMIT VI」から、データ通信量が月当たり1GB以下のときに月額0円で利用できる仕組みを取り払った料金プランだ。

楽天モバイルが2022年7月からの提供を予定している「Rakuten UN-LIMIT VII」。通信量が1GB以下の場合も月額0円で利用できなくなったことから、批判の声が少なからず上がっている
楽天モバイルが2022年7月からの提供を予定している「Rakuten UN-LIMIT VII」。通信量が1GB以下の場合も月額0円で利用できなくなったことから、批判の声が少なからず上がっている
(出所:楽天モバイル)
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 Rakuten UN-LIMIT VIは通信量に応じて料金が変化する段階制を採用しており、どれだけデータ通信を利用しても月額3278円以上はかからないというだけでなく、通信量を節約すれば月額0円で利用できることが人気要因の1つとなっていた。それだけに同社のユーザーの中には、使い放題のデータ通信をリーズナブルに利用したい人だけでなく、月額0円での1GBの利用を目当てとしたユーザーも少なくない。

 だが新料金プランでは月額0円で利用できる仕組みがなくなり、通信量が1GB以下であっても月額1078円がかかるようになってしまった。もちろん楽天モバイルではその代わりに、楽天グループの「楽天市場」で買い物をするとポイントが従来より増えるキャンペーンや、1GB以下の利用者はポイントでの還元も含め、最大4カ月間は実質0円で利用できるキャンペーンを展開するなどして、0円で利用していたユーザーの負担を軽減する施策は打ち出している。

 しかしながら、これまで月額0円であることを目当てに契約していたユーザーにとって、今回の新料金プラン導入は大幅値上げでしかない。しかもユーザーの囲い込みを禁止する電気通信事業法を考慮し、従来プランを維持する方策が提供されなかったことから回避策もない。それゆえ発表直後、SNSでは楽天モバイルに対する批判の声が多く上がったほか、同じく月額0円で利用できるKDDIの「povo 2.0」に乗り換える人が多かったのか、povo 2.0の契約手続きが一時混雑する事態も発生している。