中国の広東欧珀移動通信(オッポ)の日本法人であるオウガ・ジャパンは2022年6月16日、同社の主力となるミドルクラスのスマートフォン新機種「OPPO Reno 7 A」を発表した。オッポが強みとするオープン市場でも防水・FeliCaの搭載が当たり前となる中、同社の日本市場開拓に向けた戦略はどのように変化しているのだろうか。
防水・FeliCaに加え「長く使える」ことを重視
前回、家電量販店など販売されるオープン市場向け(いわゆる「SIMフリー」)スマートフォンにおいても、防水やFeliCaといった日本独自のニーズに対応するスマートフォンが増えていると指摘した。その先駆者の1社となっていたのがオッポであり、主力のミドルクラスのスマートフォン「Reno A」シリーズは、防水・FeliCaへの対応が大きなセールスポイントとなっていたのだが、他社の追随でその優位性も失われつつある。
そこで注目されるのが、オッポが防水・FeliCaの次に、どのような施策をもって日本市場で他社との差異化を図り、販売を拡大しようとしているかである。2022年6月16日、同社の日本法人であるオウガ・ジャパンが、Reno Aシリーズの新機種「OPPO Reno 7 A」の発表会を実施したが、その内容から具体的な方向性を見て取ることができた。
OPPO Reno 7 Aについて簡単に説明しておくと、これは従来のReno Aシリーズ同様性能的にはミドルクラスという位置付けのスマートフォンであり、チップセットにも米Qualcomm(クアルコム)製のミドルクラス向け「Snapdragon 695 5G」を搭載。それに加えて防水やFeliCaに対応させた、日本仕様となっているのが大きなポイントだ。
だがOPPO Reno 7 Aは、他にも日本のユーザーの意見を受けて強化しているポイントがある。その象徴となるのが「長く使える」ことを重視した設計だ。
オッポではOPPO Reno 7 Aの開発に当たり、2021年にSNSを中心として計8回、4500人のユーザーに調査を実施。その結果から、日本のユーザーは端末を頻繁に買い替えるのではなく、端末に愛着を持って長く使い続ける傾向にあることが見えてきたという。
そこでオッポはOPPO Reno 7 Aの開発に当たり、ハードやシステムなど様々な面で長く利用できることに力を入れた。中でも注力したのはデザインだ。オッポは同社の開発者だけでなく、日本のユーザー、そして有名な日本のデザイン会社が参加して、本体のカラーや素材、持ち心地などに関して調査を実施。得られた意見を基にモックアップを作ってさらに意見を求めるなどして、長く利用できる飽きのこないデザインを実現するに至ったとのことだ。
最初のユーザー調査では、派手な色と落ち着いた色という両極端なカラーに人気が集まったそうで、どのようなカラーを採用すべきか判断に迷ったという。ただ1歩先を進みすぎると注目はされるが飽きられてしまいやすいことから、「0.5歩進んだカラー」として「スターリーブラック」と「ドリームブルー」の2色を採用した。