全3179文字
PR

 急速に進んだ円安の影響からスマートフォンの値上げが懸念されているが、少し前から政府の端末値引き規制などによって高額化が進んでいたのも事実。スマートフォンの値上げトレンドが続く中、消費者だけでなくスマートフォンメーカーも苦悩している様子がうかがえる。

円安で懸念される新iPhoneの価格上昇

 ここ最近のニュースをにぎわすのは猛暑と値上げだが、後者はスマートフォンでも今後深刻になる可能性が高い。その理由は、様々な商品における値上げの主因の1つとなっている、急速な円安の影響だ。

 現在市場で販売されているスマートフォンは円安が進行する前の製品が多いことからまだ市場に大きな影響が出ているわけではない。だがスマートフォンは海外で製造しているケースが多く、為替の影響を受けやすい。今後円安トレンドが続くことで、スマートフォンの価格に転嫁せざるを得なくなることを懸念する声をメーカー側からも耳にするようになった。

 とりわけ消費者が警戒しているのは、日本で最も人気の高い米Apple(アップル)の「iPhone」の新機種に関してであろう。iPhoneの新機種は毎年秋ごろに発売される傾向にあるが、その頃まで現在の円安トレンドが続くようであれば、円安が進んでいなかった2021年と比べ、新iPhoneの日本での販売価格が大幅にアップしてしまう可能性があるからだ。

 その傾向はすでに、2022年6月に発表されたアップルの「MacBook Air」から見て取ることができる。アップルは今回、新しいプロセッサー「M2」を搭載したMacBook Airの価格を16万4800円から販売しているが、同時に2020年11月発売の「M1」搭載MacBook Air(GPU7コアモデル)もラインアップに残し、併売という形を取っている。

 だがそのM1搭載MacBook Airは、発売時点では11万5280円からという価格設定だったのだが、M2搭載モデルの発売に合わせて価格が改定され、13万4800円からと2万円近く値上げされた。米国では逆に値下げされているだけに、同じモデルの価格がこれだけ上がったのは円安の影響を価格に反映した結果とみるのが妥当だろう。

 具体的な動きとなったのが、2022年7月1日にアップルが実施した既存のiPhone新機種の大幅値上げだ。最も値上げ幅の大きい「iPhone 13 Pro Max」の1TBモデルは4万円も値段が上がったことから、MacBook Air以上の大きな驚きをもたらしている。

 アップル製品を巡って短期間のうちにこれだけ大きな動きが起こっているだけに、新iPhoneを購入したいと考えている人達にとって、今後の為替動向が非常に気になることは間違いないだろう。

2020年発売の「MacBook Air」は、2022年のMacBook Air新機種発売後も併売されるが、円安の影響を受けてかその価格は2万円近く値上がりしている
2020年発売の「MacBook Air」は、2022年のMacBook Air新機種発売後も併売されるが、円安の影響を受けてかその価格は2万円近く値上がりしている
(出所:アップル)
[画像のクリックで拡大表示]