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 英Nothing Technology(ナッシングテクノロジー)が2022年7月12日(英国時間)に発表した新スマートフォン「Nothing Phone(1)」。背面が光る「Glyph Interface」を採用するなど個性的なデザインと独自性を売りにするNothing Phone(1)からは、コモディティー化が進んだスマートフォンに対する不満の高まりと、今後の大きな変化につながる新しい動きを見て取ることができる。

背面に独自のデザインを盛り込んだNothing Phone(1)

 2020年に英国で設立したナッシングテクノロジーは、中国の広東欧珀移動通信(オッポ)傘下のスマートフォンメーカーである深圳市萬普拉斯科技(ワンプラス)の創設者の1人、カール・ペイ氏が立ち上げた企業だ。プロダクトのデザイン性に注力したデジタル製品を提供するメーカーとして注目されている。既に日本をはじめとした世界各国で、ワイヤレスイヤホンの「Nothing ear(1)」を販売している。

 そのナッシングテクノロジーの新たなプロダクトとして、新たにNothing Phone(1)を英国時間の2022年7月12日に発表、日本でも8月に発売されることも同時に明らかにした。これは6.55インチの有機ELディスプレーと2つのカメラ、米Qualcomm(クアルコム)製チップセット「Snapdragon 778G+」を搭載したミドルハイクラス相当のスマートフォンである。

日本での発売が決まった「Nothing Phone(1)」。正面からの見た目は通常のスマートフォンだ。写真は「Nothing Phone(1) プレブリーフィング」より(筆者撮影)
日本での発売が決まった「Nothing Phone(1)」。正面からの見た目は通常のスマートフォンだ。写真は「Nothing Phone(1) プレブリーフィング」より(筆者撮影)
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 Nothing Phone(1)が他のスマートフォンと決定的な違うところは背面にある。なぜなら背面が透明で内部が透けてみえる構造になっており、その内部では400以上の独自パーツを用いて独特のデザインを実現。それに加えて974個のLED電球を搭載し背面の一部を光らせる独自の仕組み「Glyph Interface」を採用しているのだ。

 Nothing Phone(1)では背面を上にして置いた状態でも、Glyph Interfaceの光によって通話着信などの通知を知ることができる。他にもGlyph Interfaceは、充電時に光のバーの長さでバッテリー残量を知らせたり、さらにはカメラ使用時にライトとして活用し、暗い場所を明るく撮影したりできる。

Nothing Phone(1)の背面は透明で部品が一部見えるデザインであるのに加え、「Glyph Interface」で光によって着信などを知らせてくれる。写真は「Nothing Phone(1) プレブリーフィング」より(筆者撮影)
Nothing Phone(1)の背面は透明で部品が一部見えるデザインであるのに加え、「Glyph Interface」で光によって着信などを知らせてくれる。写真は「Nothing Phone(1) プレブリーフィング」より(筆者撮影)
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 ソフトウエア部分を見ると、OSに「Android 12」をベースとした「NothingOS」を採用しており、フォントや着信音などをハードと統一感のものに仕上げるなどデザイン性を重視している。一方で、余分なアプリを可能な限り排除して、機能的にはシンプルなAndroidに近い内容となっている。デザインでは強い個性を打ち出しながらも、スマートフォンとしての使い勝手を重視している様子がうかがえる。