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 台湾エイスーステック・コンピューター(ASUSTeK Computer、華碩電脳)は2019年8月20日、同社のフラッグシップスマートフォン新機種「ZenFone 6」をSIMロックフリースマートフォンとして日本市場に投入すると発表した。最近SIMロックフリー端末市場で中国ファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies、華為技術)の勢いに押されるなどして低迷傾向にあった同社のスマートフォン販売だが、それを立て直すべくZenFone 6では攻めの姿勢を打ち出しているようだ。

エイスーステック・コンピューターの最新スマートフォン「ZenFone 6」。背面のカメラが回転し、フロントカメラとしても使える「フリップカメラ」機構を備えているのが大きな特徴だ。写真は2019年8月20日のASUS JAPAN新製品発表会より(筆者撮影)
エイスーステック・コンピューターの最新スマートフォン「ZenFone 6」。背面のカメラが回転し、フロントカメラとしても使える「フリップカメラ」機構を備えているのが大きな特徴だ。写真は2019年8月20日のASUS JAPAN新製品発表会より(筆者撮影)
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ミドルクラスの不調からハイエンドに注力

 エイスーステック・コンピューターの「ZenFone」シリーズと言えば、手ごろな価格で購入でき、高い品質と性能を持つ製品としてSIMロックフリー端末市場で高い評価を受け、日本でも人気を獲得。一時は同社がSIMロックフリー端末市場でトップシェアを獲得するなど、躍進の原動力にもなっていた。

 だがその後、ZenFoneシリーズはミドルクラスで多くの機種を投入し、選択肢が大幅に増えたものの製品ごとの違いが分かりにくく消費者に混乱を与えたことなどが災いし、徐々に販売が低迷。その一方でファーウェイ・テクノロジーズが日本市場に力を入れるようになり、コストパフォーマンスに優れたミドルクラスの「lite」シリーズで人気を獲得。SIMロックフリー端末市場でトップシェアを獲得したことから、ZenFoneシリーズの人気は相対的に下がってしまった。

 そこでエイスーステック・コンピューターは、グローバルでも収益が低いミドルクラス重視の方針を改め、高収益が見込めるハイエンドモデル重視の方針にシフトするようになった。実際2018年には、AI技術を積極的に取り入れるなど性能の高さに力を入れた「ZenFone 5」シリーズに加え、ゲームプレーの性能にこだわったゲーミングスマートフォン「ROG Phone」も投入。ハイエンドモデル重視の姿勢を鮮明にしている。

 そして2019年8月20日、同社の日本法人であるASUS JAPANが投入を発表したのが新しいフラッグシップモデルの「ZenFone 6」である。ZenFone 6の最大の特徴は「フリップカメラ」機構で、背面に備わっているデュアルカメラが最大で180度回転し、フロントカメラとしても活用できる点にある。

 それゆえZenFone 6では、通常撮影時も自分撮りの時であっても、同じ画質で撮影することが可能であるほか、カメラの回転を途中で止めることにより、従来にない視点での撮影も可能。またフロントカメラが存在しない仕組みであることから、前面のディスプレーはノッチがなく、6.4インチの大画面をフル活用できるようになっている。