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 KDDIは2020年9月25日に「UNLIMITED WORLD au 5G 発表会 2020Autumn」を開催し、スマートフォンメーカー3社の5G(第5世代移動通信システム)端末6機種を発表した。それらの端末から、3社の5G端末に対する戦略の違いが見えてくる。

ミドルクラスの5G端末を厚くするシャープ

 9月を迎え秋冬商戦が近づいていることから、商戦期を狙ったスマートフォン新機種の発表が相次いでいる。中でも国内の携帯電話大手で先陣を切って新スマートフォンを発表したのが、KDDIである。

 同社は2020年9月25日に秋冬モデルの発表イベント「UNLIMITED WORLD au 5G 発表会 2020Autumn」を開催。シャープ、ソニーモバイルコミュニケーションズ、そして韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の新型5Gスマートフォン6機種を販売すると発表した。

KDDIは2020年9月25日に「UNLIMITED WORLD au 5G 発表会 2020Autumn」を開催、5G対応スマートフォン6機種を発表するなど、5Gの普及に向けた今後の取り組みをいくつか打ち出している。写真は同イベントより(筆者撮影)
KDDIは2020年9月25日に「UNLIMITED WORLD au 5G 発表会 2020Autumn」を開催、5G対応スマートフォン6機種を発表するなど、5Gの普及に向けた今後の取り組みをいくつか打ち出している。写真は同イベントより(筆者撮影)
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 中でも特徴的なのがシャープだ。シャープはKDDIに先駆けて2020年9月11日に新製品発表会を実施し、今回KDDIから発売される「AQUOS sense5G」を含むスマートフォン4機種を発表しているが、意外性があったのが「AQUOS zero5G basic」である。

シャープは2020年9月11日にスマートフォン新製品4機種を発表。そのうち「AQUOS zero5G basic」「AQUOS sense5G」の2機種は5G対応となる。写真は同日に実施されたメディア向け新製品体験会より(筆者撮影)
シャープは2020年9月11日にスマートフォン新製品4機種を発表。そのうち「AQUOS zero5G basic」「AQUOS sense5G」の2機種は5G対応となる。写真は同日に実施されたメディア向け新製品体験会より(筆者撮影)
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 これは「AQUOS zero」シリーズと同様、最大240Hz駆動に対応した自社開発の有機ELディスプレーを搭載するなど、ゲーミングに関連した機能や性能に力を入れつつ5Gに対応した新モデル。今回の発表に先駆けて、KDDIはストレージを増量した「AQUOS zero5G basic DX」をauブランドから2020年9月19日に販売を開始している。

 AQUOS zero5G basicの注目ポイントは、米Qualcomm(クアルコム)のミドルクラス向けプロセッサー「Snapdragon 765G」を採用したこと。高性能が求められるゲーミングに注力したモデルながら、なぜ従来のAQUOS zeroシリーズ同様、ハイエンド向けのプロセッサーを採用しなかったのだろうか。

 そこには2019年の電気通信事業法改正による端末値引き規制が影響しているとみられる。今後規制でハイエンドモデルが購入しづらくなり、明確な目的を持った人以外はハイエンドから離れ、ミドルクラスの端末を購入するようになるとシャープは考えているようだ。そうしたニーズに応えるべく、同社は目的に応じた様々な性能を持つミドルクラスのラインアップを厚くする戦略を取るとしており、AQUOS zero5G basicをミドルクラスとして投入したのにはそうした同社の狙いが影響しているわけだ。

AQUOS zero5G basicは有機ELディスプレーを搭載しゲーミングに注力した「AQUOS zero」シリーズのコンセプトを継承しながらも、価格を重視しミドルクラス向けのプロセッサーを採用したモデルとなっている。写真は2020年9月11日にシャープが開催したメディア向け新製品体験会より(筆者撮影)
AQUOS zero5G basicは有機ELディスプレーを搭載しゲーミングに注力した「AQUOS zero」シリーズのコンセプトを継承しながらも、価格を重視しミドルクラス向けのプロセッサーを採用したモデルとなっている。写真は2020年9月11日にシャープが開催したメディア向け新製品体験会より(筆者撮影)
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