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米制裁の長期化に備え独自のエコシステムを強化

 一方で気になったのは、ファーウェイ・ジャパンが毎年この時期、フラッグシップモデルの2つ「Mate」シリーズを国内向けに投入していたのだが、2019年はその投入が発表されていないことだ。既に海外では、Mateシリーズの新機種「HUAWEI Mate 30」「HUAWEI Mate 30 Pro」を販売しているのだが、これらはいずれも米国の制裁後に開発されたモデルであるためGMSが搭載されておらず、その代わりにファーウェイ・テクノロジーズ独自のHMS(Huawei Mobile Service)を搭載して販売されている。

 この点について、ファーウェイ・テクノロジーズの日本・韓国リージョンプレジデントである呉波氏は「日本での販売は検討しているが、4G版を発売する計画はない」と答えている。2020年に日本で5Gの商用サービスが始まるのに合わせて、5G版のMate 30シリーズを投入したいというのが、その理由であるというのだ。

 だがやはりGMSが搭載できていないことも、この段階でMateシリーズを投入できていない現状に少なからず影響していると考えられよう。呉波氏は今後もスマートフォンのOSに関して「グーグルとは良好な関係を保っており、AndroidとGMSの搭載を優先していく」と話すが、米国による制裁が解除されない限り、GMSを搭載したスマートフォンが投入できないことに変わりはない。

 そうしたことから呉波氏は「もし米国が制限をかけ続けるなら、色々なパートナーとエコシステムを作っていく」と話し、HMSを強化していく方針も示している。実際今回の発表会では、HMSによるエコシステム拡大のため、日本のアプリ開発者がHMSに参加しやすくするための施策もいくつか打ち出されている。

 具体的には、日本をはじめとした世界中の開発者に10億ドル、日本円にして約1080億円の資金提供をするなどして開発を支援する「Shining Starプログラム」を実施。さらに2019年12月には東京で開発者大会も実施することを発表している。

米国の制裁が今後も続くことを考慮し、HMSを強化し独自のエコシステム構築に力を入れることも打ち出している。写真は2019年11月14日のファーウェイ・ジャパン新製品発表会より(筆者撮影)
米国の制裁が今後も続くことを考慮し、HMSを強化し独自のエコシステム構築に力を入れることも打ち出している。写真は2019年11月14日のファーウェイ・ジャパン新製品発表会より(筆者撮影)
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