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5Gと8Kを活用した軽種馬育成支援の実証実験

 KDDIがそうした取り組みの1つとして、2019年11月4日から12日までにかけて国際電気通信基礎技術研究所、シャープ、東京大学大学院情報学環などと共同で実施したのが、北海道新冠郡新冠町にある日高軽種馬共同育成公社での5Gを活用した実証実験である。

 競馬や乗馬などに用いられる軽種馬の育成支援に5Gを活用しようというもの。具体的な取り組みの1つとなるのは、5Gと8K映像を活用し、遠隔地からリアルタイムに軽種馬の様子をチェックするという試みである。

 これは軽種馬の厩舎の中に8Kカメラを1台、4Kカメラを4台設置し、それらのカメラで撮影した映像を5Gで伝送。離れた場所にある8Kのモニターに映し出すことで、馬主が馬の成長具合をいつでも確認できるようにするというものだ。

 8Kカメラの映像ではその高精細さを生かし、軽種馬の毛並みや筋肉など細かな成長具合を確認できるという。一方、4Kカメラの映像は厩舎の4方向に設置されており、1枚の8K映像に合成して伝送することによって、マルチアングルで軽種馬の日常の様子を確認できるようになっている。

 そしてもう1つの取り組みは、ドローンと5Gを活用した8K映像伝送によって、トレーニングの様子を観察するというものである。トレーニングコースの上空にドローンを飛ばし、そこに搭載された8Kカメラで映像を撮影し、同じくドローンに搭載されている5Gのタブレット端末をモデム代わりとして活用して映像を伝送することにより、高精細な映像でトレーニングの様子を確認できるという。

8Kカメラを搭載したドローンを活用した5Gの伝送も実施。軽種馬のトレーニングの様子を上空から撮影、確認できるという。写真は2019年11月13日の「8Kライブ映像を活用した軽種馬育成支援の実証試験」より(筆者撮影)
8Kカメラを搭載したドローンを活用した5Gの伝送も実施。軽種馬のトレーニングの様子を上空から撮影、確認できるという。写真は2019年11月13日の「8Kライブ映像を活用した軽種馬育成支援の実証試験」より(筆者撮影)
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 新冠町を含む北海道の日高地方は軽種馬の育成が盛んな地域で、日高軽種馬共同育成公社も馬主から軽種馬を預かり、競走馬に育成する育成牧場の1つだ。だが馬主は関東や関西など遠方にいることが多く、馬の様子を見るのに育成牧場を頻繁に訪れるのは難しいという課題があった。

 そうしたことから、5Gを活用することで現地に赴くことなく8Kの高精細映像で軽種馬の様子を確認したいというニーズを満たすべく、総務省が実施した「5G利活用アイデアコンテスト」に新冠町とシャープがアイデアを応募。そこで高い評価を得たことから、KDDIらと今回の実証実験を進めるに至ったのだそうだ。