NTTドコモは2020年12月3日、デジタルネーティブの20代を対象とした新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。20GBの高速データ通信が月額2980円と非常に低価格な一方で、ドコモショップでのサポートが基本的に受けられないなど、従来のプランとは明確な違いもあり消費者の混乱を招きかねない内容だ。にもかかわらず、他の携帯電話大手のようにahamoをサブブランドとして、NTTドコモのメインブランドと明確に分けなかったのはなぜか。
新社長が打ち出したNTTドコモの新料金戦略
日本電信電話(NTT)の株式公開買付が終了し、正式に同社の完全子会社となることが決まったNTTドコモ。2020年12月1日にはNTT出身の井伊基之氏が新社長に就任し、いよいよNTT主導によるNTTドコモの新体制が推し進められることとなる。
その井伊氏が社長就任後に初めて公の場に登場したのが、2020年12月3日に実施した新しい料金関連施策の発表会である。井伊氏は発表会のプレゼンテーションにおいて、デジタル化の進展や新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで顧客のニーズが大きく変化しており、「単に料金を見直したり、サブブランドを追加したりしただけでは解決しない」と話した。
そこで井伊氏が打ち出したのが、「NTTドコモ」という1つのブランド中で、複数のコンセプトに沿ったプランを提供するという戦略である。具体的には従来の「ギガホ」「ギガライト」を主体とした、家族契約やドコモショップでの手厚いサポートを前提としたプランを「Premier」と位置付け、その一方で若い世代を中心に単身者でも利用しやすく、シンプルでコストパフォーマンスが高い「New」プランを追加するとした。
さらにもう1つ、井伊氏は小容量で一層低廉な料金を求める人に向けた「Economy」プランへの取り組みも進めるとしている。ただEconomyプランに関してはNTTドコモ自身が提供するのではなく、「MVNOなどと連携して考えていきたい」と話し、外部企業と連携して取り組む考えを示している。
Premierプランの施策については2020年12月中に別途発表するとしており、Economyプランについては具体的な施策は現在検討中とのこと。今回発表がなされたのは、新たに追加がなされたNewプランに関する施策のみであった。