スポーツ界が先端テクノロジーの導入による新しいビジネスの出現に沸いている。試合の観戦、戦術の構築、選手のパフォーマンスアップ、ケガの予防などスポーツのさまざまな側面でイノベーションが起きているのだ。その主役は、AI(人工知能)やIoTなどのテクノロジーを駆使した新ビジネスを開発するベンチャー企業(スタートアップ)である。
2019年4月、東京に世界19カ国からスポーツテックを手掛ける100社以上のスタートアップが集結した。電通と、サンフランシスコに拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)のスクラムベンチャーズが共同開催するスタートアップの早期事業化プログラム「SPORTS TECH TOKYO(スポーツテック東京)」のキックオフイベントに参加するためだ。世界33カ国の数百社の応募の中から選ばれた精鋭たちである。
SPORTS TECH TOKYOは、スポーツ分野で優れた技術や事業アイデアを持つスタートアップを世界中から募り、メンタリングや企業・スポーツ団体との橋渡しなどさまざまな支援を行うことで、スタートアップの事業の早期の社会実装を目指す支援プログラムである。参加スタートアップには、日米の競技団体やチーム関係者・選手とのネットワーキングの機会が与えられる。このプログラムには、スポーツ関連のオープンイノベーションに関心を持つ企業、具体的には伊藤忠商事やマイクロソフト、ソニー・ミュージックエンタテインメントなどが参加している。
なお、今回のキックオフイベントを経てスタートアップはファイナリスト12社に絞り込まれた。選ばれたスタートアップは約3か月間、パートナー企業とともに事業開発に取り組み、8月20日にサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地「Oracle Park」で行われるWorld Demo Dayでその成果を発表する。
日経xTECHは4月に開催されたキックオフイベントにおいて、複数のスタートアップを取材する機会を得た。分野ごとに、スタートアップが提供する世界先端のスポーツテックを紹介しよう。
