梅雨入りが近づいてきた。「午後から雨が降るから早めに帰宅しよう」など、天気予報を見て1日の行動を決める人は多いだろう。
企業にとっても、天気は客数や売り上げ、利益を左右する重要な要素だ。いま保険や交通、飲食店、農業、エネルギーなど様々な業界の企業が気象データをAIで分析し、ビジネスに生かそうと動き出している。
梅雨前線の停滞に先駆け、気象データ活用の最前線に迫る。
梅雨入りが近づいてきた。「午後から雨が降るから早めに帰宅しよう」など、天気予報を見て1日の行動を決める人は多いだろう。
企業にとっても、天気は客数や売り上げ、利益を左右する重要な要素だ。いま保険や交通、飲食店、農業、エネルギーなど様々な業界の企業が気象データをAIで分析し、ビジネスに生かそうと動き出している。
梅雨前線の停滞に先駆け、気象データ活用の最前線に迫る。
人工衛星が撮影した地上写真などを使い、保険金支払いの迅速化に取り組んでいるのが東京海上日動火災保険だ。台風や集中豪雨で川が氾濫するなど大規模な水災害が発生した際に、人工衛星の画像データからAI(人工知能)が水災の被害地域や浸水の高さを推測し、調査員の配置検討など査定業務を支援する。2019年6月に…
高知県は富士通と組み、ビニールハウスで育てるナスやキュウリといった農作物の3週間後までの収穫量を気象データからAI(人工知能)で予測するシステムを開発、2019年3月に運用を始めた。
三重県伊勢市で100年以上の歴史を持つ老舗料理店「ゑびや大食堂」を経営するゑびやも、気象データを活用する1社だ。気象データから来客数やメニューごとの注文数などをAIで予測する来客予測システムを導入した結果、「廃棄ロスを大幅に削減できた」と経営企画室の堀口千春氏は晴れやかな表情を浮かべる。
どのテレビCMを流すのか、天気を基に決める――。電通は視聴者の購買行動を促すテレビCMを決めるために、1日先から7日先までの全番組の視聴率を性別や年代などターゲット層ごとにAIで予測するシステム「SHAREST」(シェアレスト)に気象データを活用している。
気温や湿度、風向・風速、気圧、降水量、日照時間、人工衛星画像――。気象に関する実測データや予報データを需要予測やサービス向上などビジネスに活用する企業がここ1~2年で急増している。