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 こうなってくると、汎用のNANDフラッシュ向けSSDコントローラーというのは非常に作りにくくなる。もちろん、マーベルテクノロジーグループのように、複数のメーカーの3D NANDフラッシュに対応したコントローラーをリリースしているベンダーは存在するのだが、彼らにしても開発に当たってはそれぞれのNANDフラッシュのメーカーと協力して、個別対応の形で実装を行っている。

 要するに標準品が無い、という状況になっているのが今のSSDだ。この辺りは、標準化が完全であり、検証はともかく設計段階で仕様書を読むだけでコントローラーが作れたDRAMとは大きく異なる。

 標準品が無い、という状況は、スマートフォンに代表される組み込み機器では互換性の面で致命的である。スマートフォンに限った話ではないが、出荷量の多い製品に組み込む部品は1社による供給では安定的に調達できない。複数ベンダーから調達するのが普通だ。しかも10年、20年といった長期にわたる製品供給が求められる。

 メーカー別にNANDフラッシュの仕様が異なっていても問題ないようにするべく登場したのが「eMMC」である。NANDフラッシュとコントローラーをワンパッケージ化した製品だ。メモリーカードの仕様である「MMC」の延長で、組み込み機器向けに基板実装用のeMMCが2013年に業界団体のJEDECによって標準化された。

NANDフラッシュとコントローラーを1パッケージにした「eMMC」製品
NANDフラッシュとコントローラーを1パッケージにした「eMMC」製品
(出所:韓国サムスン電子)
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 eMMCのコントローラーとホストの間のインターフェースは標準化されており、個々のNANDフラッシュの細かい特性の違いはコントローラー側ですべて吸収してくれる。ホスト側はNANDフラッシュの特性を気にする必要は無い。