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SSDの主要性能であるデータ転送速度と寿命を見極めるには、SSDの内部構造に対する理解が欠かせない。コントローラーとNANDメモリーの構成を読み込むと、製品の仕様が示す数字の意味が見えてくる。
まず、コンシューマー市場向けSSDの典型的な構成を見てみよう。

一般的なSSDの内部構造
破線で示した部分は製品によって実装の有無が異なる
ここで実線の部分は必ずあるもの、破線の部分はオプション扱いのものである。ここで注目すべきは以下の3点だ。
- PCとの接続インターフェース
- 書き込みキャッシュの有無やその構成
- NANDフラッシュへのアクセス方法
M.2カードタイプSSDの落とし穴
①の接続インターフェースは、意識せずに製品を選ぶと読み書きの速度が3倍以上違ってくる。単純に価格だけで選ばないようにしたい。
SSDは現状、2.5型ドライブの形状をした製品と「M.2」カードタイプの製品の2種類が存在する。エンタープライズ向けには「U.2」や「NF1(NGSFF:当初はM.3と呼ばれていた)といった種類や、PCI Express x16接続の拡張カードタイプの製品がある。
やっかいなのは、M.2カードだ。2.5型はインターフェースがSATA一択だが、M.2はSATAとPCI Expressの2種類があり、PCI Expressの世代も異なる製品が混在している。
SSDの主な形状とインターフェース
外見が同じでもプロトコルの違いで速度差は3倍を超える。
機械的形状 | インターフェースの形状 | プロトコル | 最大データ転送速度 |
---|---|---|---|
2.5型ドライブ | SATAコネクター | SATA 6G | 600Mバイト/秒 |
M.2カード | M.2コネクター | SATA 6G | 600Mバイト/秒 |
PCI Express Gen3 x2(NVMe:NVM Express) | 2Gバイト/秒 | ||
PCI Express Gen3 x4(NVMe:NVM Express) | 4Gバイト/秒 |