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日経BPが発行した「コンクリート診断士試験 重要キーワード120」をもとに、打音法、サーモグラフィー法、電気防食工法、表面含浸工法といったキーワードについて、再確認しておく。
打音法・サーモグラフィー法
コンクリート表面をハンマーなどで打撃した際に生じる弾性波を、マイクなどによって計測。コンクリート内部の状況を把握する手法が打音法だ(図1)。
通常は可聴域である20Hzから数キロヘルツ程度の周波数の音を使用する。衝撃弾性波法と比較して、周辺の騒音の影響を受けやすい。それでも、コンクリートの表面性状の影響を受けにくい。測定方法が簡易な点も長所となっている。
サーモグラフィー法も非破壊試験の1つである。コンクリート表面から放射される表面温度に対応した赤外線エネルギーを計測して温度分布を取得する方法だ。
コンクリート内部に空洞などがあれば、その部分が断熱層となり、問題のない健全部と比べた場合に温度差が生じる。サーモグラフィー法では、こうした原理を利用して、コンクリート表面の温度分布から内部欠陥の有無を判定する(図2)。晴天時に測定を行ったり、対象物の正面から画像を取得したりするなど、測定方法には留意する。