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変更可能であったり重複したりすることも

 MACアドレスは通常、出荷時のものをそのまま利用する。しかし、ユーザーが後から変更できる製品が増えている。

 例えば、家庭向けのブロードバンドルーターには、インターネット側のポートのMACアドレスを変更できる製品が多い。これは、インターネット接続サービスによっては、あらかじめ登録したMACアドレスからしか接続できないサービスがあるからである。

 登録したMACアドレスからしか接続できないと、ブロードバンドルーターが故障した場合、新しいMACアドレスの登録手続きが完了するまでインターネットに接続できない。そこで、MACアドレスを変更して利用する。

 ただし、MACアドレスの変更はお勧めできない。IPアドレスと同様、MACアドレスは重複しないことが前提でネットワークが動いているためだ。

 また、まれに旧型製品に割り当てられていたMACアドレスが、新しい製品に使われていることがある。これは、ベンダーが既に使われていないだろうと判断したMACアドレスを使い回しているためだ。古いネットワーク機器を利用するときは、MACアドレスの重なりに注意する。

MACアドレスで次に渡す相手を指定する

 では、IPネットワークにおけるデータ通信で、MACアドレスはどのように使われるのだろうか。その理解のために、「イーサネット」のことを知っておこう。

 イーサネットは、事実上LANの標準となっている規格である。インターネットや企業ネットの一部として使われている。IPネットワークにおけるイーサネットの役割は、IPパケットを運ぶことだ。

 その際、イーサネットはIPパケットを「MACフレーム」と呼ぶフレームに収めて運ぶ。下図のようなイメージだ。

MACフレームにあて先と送信元のMACアドレスが書かれている
MACフレームにあて先と送信元のMACアドレスが書かれている
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 MACアドレスは、MACフレームのヘッダーに書かれる宛先や送信元のホストのアドレスとして使われる。

 IPヘッダーの宛先IPアドレスがデータを渡す最終目的のホストを表すのに対して、MACヘッダーの宛先MACアドレスは「次に渡す相手」のMACアドレスが書かれている。

 同じLANの中の通信であれば、あて先MACアドレスはIPヘッダーの宛先IPアドレスと同じホストを指している。一方、別のネットワークに最終目的のホストがある場合、MACヘッダーには送信元のホストから別のネットワークとの橋渡しをするネットワーク機器のMACアドレスが書かれる。