「世の中を変える製品を作りたい」「画期的な技術を開発したい」――。大きな夢を抱いて大企業に入社した若手エンジニアは、さまざまな“壁”にぶつかり、いつしかとらわれていく。大企業で働いている人や、大企業との付き合いがある人なら誰もが「あるある」と思える壁が生まれるメカニズムや、その乗り越え方について、かつて大企業で新規事業を立ち上げた経験を持つ瀬川秀樹氏がユーモラスに指南する。
クリエイブル 代表

「世の中を変える製品を作りたい」「画期的な技術を開発したい」――。大きな夢を抱いて大企業に入社した若手エンジニアは、さまざまな“壁”にぶつかり、いつしかとらわれていく。大企業で働いている人や、大企業との付き合いがある人なら誰もが「あるある」と思える壁が生まれるメカニズムや、その乗り越え方について、かつて大企業で新規事業を立ち上げた経験を持つ瀬川秀樹氏がユーモラスに指南する。
最終回:“目覚めた”人材が辞めるのは当たり前
新規事業などの部署を持つマネージャーとしては、部下が辞めちゃうかもしれないという覚悟は持っておかなければならない。辞めないように閉じ込めておこうとすると、新規事業に向いた「自分でものを考え行動する人」を作れない。それを私は「タサンタリ」って言っている。
第14回:説得のこつは「大阪のおばちゃん」に学ぼう
交渉相手が何に一番こだわっているか、または何が一番の関心事かを考えましょう。ただし、勝手に考えると「外して」しまう確率が高いので、事前にその人の周辺に聞き込みをしましょう。
第13回:マネジメントとは「やりくり」である
「ちっちゃいなあ」と思えるようになったというのがポイントだろうね。腹が立っているうちは、ある意味まだその上司と同レベルか下の精神レベル。「上司のくせに」と腹を立てていること自体、上司の方が「上」であるべきだと無意識に思っている証拠です。自分の精神レベルがその「ちっちゃなおっさん」より上になれば腹は…
第12回:イノベーションを生み出す「揺らぎ」を大事にしよう
きっちりできる仕事だけをしていた人にはそれが耐えられない。だから、へたをすると新規事業の開発の仕事も「きっちりできる仕事」に変えてしまうことさえある。例えば、既存事業の人が好きなのがPDCA。
第11回:「Disagree and Commit」で会社の文化を変えよう
上司は昭和を感じる人です。言っては悪いけれど、仕事もできなくて、人としても尊敬できません。唯一、太鼓持ち能力にたけている人で、見ていると気持ち悪いぐらい上の人にうまく取り入っています。
第10回:「他人事」思考が生み出す「べき」論の壁
シリコンバレーと対極なのが多くの日本人。夢なんか語ると「何をそんな非現実的なことを言っているんだ」とか「夢で食っていけるか」とか批判だけをして、かつ「今やること」を聞いても具体的な自分の行動を思い付けないし実行もしない。つまり「遠くもなく」「今でもない」ところにしか興味が無い。
第9回:「時間の壁」を乗り越えるには「志」を高く持つ
「重要性」が「志」と大きく関連するはずです。だから「志」をしっかり持っていないと、「緊急性」にずっと取り込まれてしまう。「重要性」と「緊急性」を混同してしまっている人も多い。
第8回:公明正大な「使途不明金」を確保しよう
若手がイノベーティブに自発的に動けるようにするのが「場づくり」。新しい事業や技術にチャレンジする上で、マネージャーの最大の仕事は場づくりといっても過言ではない。場づくりには、「お金」「時間(人)」「モチベーション」という3つの要素が必要です。この3つをマネージャーが準備したり、注入したりしなければ…
第7回:黙っていたら通じないから取りあえず何かしゃべる
会話はキャッチボール。相手が何か言ったボールをすぐに投げ返すのが会話。受けたボールをじっと握ったまま見つめていてはキャッチボールにならない。暴投しようが届かなかろうが、とにかく投げ返すと拾ってくれる。なので、できれば自分がしゃべるタイミングになったら2秒以内には何か口から発しましょう。
第6回:“人の道”と法律から外れないことが大事
残念ながら、自分で新規事業とかやったことがない人が、新規事業を支援しようとすると、すぐに「ルールやプロセス」を作ることに注力しちゃう。
第5回:恨みつらみよりも「個」の幸せを追求しよう
入社して10年がたった技術者です。大企業なので全国に複数の研究所があります。2人目の子供が生まれて、入社して10年という区切りも迎えたので、思い切って自宅を買いました。さあ、これから新しい環境で家族との時間をつくっていこう、と思っている矢先に、転勤命令が出ました。よく「家を買うと転勤になる」という…
第4回:目をキラキラと輝かせて「トラタヌ」ストーリーを語ろう
ケチつけは、ケチをつけるだけ。つまり、「じゃあ、どうしたらいいか」を一緒に考えない。上司なのだから、それなりの経験や知見を持っているはずなのに、「ちょっとその売り上げ可能性じゃ小さいよね。最初の入り口の事業としてはいいとして、その後に○○という事業に拡大できる可能性もあるんじゃない? そうすれば、…
第3回:「評価」よりも「評判」を作ろう
入社して8年目です。今回、同期が管理職になりました。同期の中で最初の出世です。彼は確かにまじめで上司の指示を的確にこなすし、いわゆる上司受けもいいけれど、そんなにすごく仕事ができる印象もないのに…。仲は良い方なので、ボーナスの額も聞いてみたら私よりもほんのちょっとだけど高くて…。なんかモヤモヤしちゃ…
第2回:苦手なことは仲間に任せる
入社6年目で化学系の技術者です。最近はある素材の形状観察と次世代製品に向けた被膜形成方法の研究開発をやっています。ある意味、自由に自分でいろいろと工夫しながら仕事をできるし、チームメンバーも良い人たちばかりなので、仕事そのものに不満があるわけではないのですが…。会社に入った頃のことを思い出すと、「…
第1回:「勝手だけどなかなかすごいな」と思われればOK
大企業の若手に壁の乗り越え方の“虎の巻”をお伝えします。私、Bikiおじさんの長い大企業サラリーマン時代の経験と、たくさんの大企業の若手が新しい事業や世界にチャレンジするお手伝いをしてきたメンターというお仕事を通じて培ってきたことをベースにお話ししていきたいと思います。