「世の中を変える製品を作りたい」「画期的な技術を開発したい」――。大きな夢を抱いて大企業に入社した若手エンジニアは、さまざまな“壁”にぶつかり、いつしかとらわれていく。大企業で働いている人や、大企業との付き合いがある人なら誰もが「あるある」と思える壁が生まれるメカニズムや、その乗り越え方について、かつて大企業で新規事業を立ち上げた経験を持つ瀬川秀樹氏がユーモラスに指南する。

※このコラムはフィクションであり、実在する会社・社員とは関係ありません
瀬川秀樹(せがわ・ひでき)
クリエイブル 代表
イラスト:勢川びき
イラスト:勢川びき
元リコー研究開発本部・未来技術総合研究センター所長。大阪大学工学部精密工学科卒業後、32年半、リコーに勤めた。光ディスクの技術者、 光ディスク国際標準化委員会の日本代表団メンバーなどを経て、米国シリコンバレーに5年半駐在した。同地では、ベンチャーへの直接投資(CVC)や、新規事業の提案/立ち上げ/撤退に従事。その後、リコーで技術戦略室長、新規事業開発センター副所長、未来技術総合研究センター所長などを歴任。近年はインド農村部でのBOPプロジェクトも興しリーダーを務めた。 2014年9月に退職、同年10月に「Creable(クリエイブル)」を設立し新規事業開発コンサルや若手育成研修などを行っている。また、「勢川びき」のペンネームで4コママンガ作家としても活動中。