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若手への期待と実際にさせていることのギャップ

Biki そこがちょっとややこしいんだけれど、既存の決まったやり方をしっかりやっていくだけでは実は会社は続かないということは誰でも分かっているんだよね。だから上の人たちも「若い人たちは上から言われたことをやるだけではなく自発的にチャレンジして新しい世界を切り開いていってほしい」というふうにも思っているんだ。

井野辺 じゃ、なんで彼が提案することをことごとく否定したり止めたりするんでしょ。

Biki 「こんなやつはイジメてやれ」なんて思っている上司はそうそういないと思う。たまにはいるけどね(笑)。良かれと思って否定したり止めたりしちゃうんだ。どうしてかというと「まだ若いから」。仕事の基本をちゃんと学ばせることが何よりも重要だと思っているんだ。

井野辺 でも、もう5年もたつんでしょ、入社してから。

Biki そこが大企業の特徴の1つ。たくさん社員がいて、いろいろな年齢の人が長く会社にいるから5年なんてまだ若手。多くの大会社では40歳でも若手社員とか言っちゃう。

井野辺 下手すると入社して15年たっても、「若手だから当たり前の仕事がこなせるように」ってなっちゃうってこと? じゃ、どうすれば。

「言われた仕事」のその先に

Biki まず、言われた仕事は当然やる。そして、終わったら別の言われた仕事を待つのではなくて、その言われた仕事の先にある「言われていない仕事」まで踏み出してやっちゃう、のが大事。

井野辺 分かるような、分からないような…。

Biki 簡単な例でいうと、「この回路のバグ出しをしてくれ」という仕事を言われたとしたら、バグ出しは当然した上で、バグ修正はもちろんのこと、バグが発生しにくい新たな回路提案もする。もっと先に行ってしまうと、その新たな回路で特許を出すとか、他部門で同じような回路で苦労している部署に話をして、そちらの部門でも採用させて、そのコンサルティングまでするとか。そういう感じで「言われていない仕事」まで踏み出してしまう。

井野辺 そんなことまで勝手にやったら仕事を出した上司の気分を害さないかなあ。

Biki 人間が極端に小さい上司だとグチグチ言うかもね。でもそんなのは気にする必要はないし、前にも言ったけど、心の中では「言われたことをやるだけではなく自発的にチャレンジしてほしい」と思っている人がほとんどだから大丈夫。たまたま上司に小さな人間がいるからって、それに合わせて自分まで小さくなる必要は全くない。