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井野辺 Bikiさんも技術系だけどおしゃべりだし(^o^;)

Biki この話で思い出したのだけど、私がまだ入社5年目のころ、先輩技術者Aさんと一緒に仕事をすることになったんだ。そのAさんは技術的には本当に素晴らしい人で、アイデアもどんどん出てくるし、実行力もすごい。でも、Aさんはとにかく声が小さかった。

井野辺 そうするとコミュニケーションが取れなかった、ということですか?

優秀だけど声の小さい先輩技術者

Biki そう。せっかく良いことを考えていても、会議になると声が小さすぎてみんなに伝わらない。むちゃくちゃもったいない状況だった。そこで、声が大きい私は会議の時にいつもAさんの隣に座って拡声器の役割をすることにした。

井野辺 Bikiさんはうるさいくらい声がでかいですからね。

Biki すまんね。そして、Aさんがボソボソ言っていることを、私が隣で耳をそばだてて聞いて、「あ、すいません!」って手を挙げて会議を中断させて「Aさんが○○って言っています!」って延々とやっていた。そのおかげで多くの課題の解決スピードが劇的に上がった。

井野辺 変なの。でも効果的ですね。

Biki Aさんは人間的にも面白い人で、実はギャグも結構言うのだけど、これも声が小さくて届かない。なので、ギャグのときも「すいません!Aさんが○○って冗談言いました!」って私が代わりにみんなに伝えて、笑いを取っていた。

井野辺 ギャグまで拡声器…。

Biki こんなふうに、優れている技術者であればあるほど、何かの点で足りないことはありがちなんだけど、それはそこを補完する仲間・パートナーと組み合わせれば解決できる。そしてこのケースの私のようにパートナー役をやる人間にとっても、大変勉強になるし、力になります。

井野辺 私もBikiさんのパートナーですね。

Biki いろいろ補完してくれて助かってます、と言っておこう。

(♪エンディングの音楽♪)

瀬川秀樹のミニ解説

・技術で誰かの役に立ちたいという心の種火を大事にして壁を乗り越えよう
・技術開発活動の部品にならないように、「この人に」という「仮想ユーザー」を勝手に持とう
・「作っちゃう力」で作って道を切り開こう
・技術者が技術以外のことを身に付けるのは難しくない
・でも苦手なことは仲間を見つけてやってもらおう

*このコラムはフィクションであり、実在する会社・社員とは関係ありません