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登場人物紹介

Biki(≒瀬川秀樹)
数年前までリコーに長年勤め、新規事業開発センター副所長や未来技術総合研究センター所長を歴任。現在はベンチャーから大企業まで幅広く新規事業のメンターや若手育成研修などを行っている。

(イラスト:勢川びき)
(イラスト:勢川びき)
井野辺くん(井野辺祥雲)
大企業に勤める元エンジニア。入社10年目。現在は新規事業の立ち上げを行っている。

[♪オープニングの音楽♪]

Biki 深々とした夜の闇に心を休める時、いかがお過ごしでしょうか。大企業の中で新しいことにチャレンジしたいのにいろんな壁にとらわれてモヤモヤしている若いアナタの背中を押す「ラジオ風コラム」の時間です。お相手は私Bikiおじさんと…

井野辺 こんばんは。梅雨のジトジトした空気に浸って気持ちまで落ち込んでいませんか? 井野辺です。

Biki なんかオープニングのセリフみたいだね。

井野辺 だいぶ「らしく」なってきました。

Biki 今日は井野辺くんもなんかちょっと湿っぽい感じだけど。

井野辺 実はボーナスがあまり良くなくて…

Biki そうなんだ。じゃ、今日は「評価の壁」の話をしよう。えーと、このカードの中にもあったはず。(机の上に積まれていたハガキ大のカードを手に取って)あった。これ。じゃ、この2次元バーコードを読ませて再生してみて。

(カードを読み込んで再生された動画)入社して8年目です。今回、同期が管理職になりました。同期の中で最初の出世です。彼は確かにまじめで上司の指示を的確にこなすし、いわゆる上司受けもいいけれど、そんなにすごく仕事ができる印象もないのに…。仲は良い方なので、ボーナスの額も聞いてみたら私よりもほんのちょっとだけど高くて…。なんかモヤモヤしちゃいました。

同期との比較はバームクーヘンの層の違い

井野辺 分かるなあ。そんな感じです。私も特に同期との差が気になるお年ごろになりました。

Biki 気持ちは分からなくもないけれど、気を付けないと年を重ねるうちに「社内とらわれ嫉妬おじさん」になっちゃうよ。

井野辺 なんか嫌な響きですね。

Biki  そして飲みに行くと他人の悪口と愚痴ばかりになる。

井野辺 やだー。

Biki そうなっちゃう理由は社内の身近な連中ばかりと比べてしまうことにある。そして「なんでアイツが」などと思い出すと、どんどん思考ベクトルが社内に向いていき、無意識に会社にとらわれて、嫉妬の塊になって…。おしまい。

井野辺 おしまい、ですか?

Biki そうならないためには、「会社の中での同期などとの比較」ではない「モノサシ」を持つことです。

井野辺 またまた、分かるような分からないようなことを言い出しましたね。

(イラスト:勢川びき)
(イラスト:勢川びき)
[画像のクリックで拡大表示]

Biki バームクーヘンってあるでしょ。

井野辺 もっと分からないことを…。真ん中に穴が開いている、薄い層が重なったドイツのお菓子ですよね。それが何か?