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Biki ま、直属の上司だけだとダメな場合はダメだから、他の「偉い人」に話を聞いてもらうのも大事だけどね。でも、とにかく自分に暗示をかけるように信じ込んで話をしてみよう。

井野辺 ダメ元で、ですね。

Biki そう。ただ、「売り上げが大きくないと」というストーリーのためのストーリーを作っているうちに、自分自身が「売り上げ至上主義」に陥ってしまうことがある。それはダメ。―これも新規事業創出で大事なポイント。

井野辺 新規事業を立ち上げるとき売り上げは取りあえずの言い訳として用意するだけ、ということですか?

Biki そう。「大きな市場」ばかりを考えていると、一見たくさんのユーザーがいるように思えてしまうけれど、それは幻想。ぼんやりしたユーザー想定しかできていないまま新規事業にトライすると失敗する。対極的に「こういう状況にあるこういう人のこういう課題や苦痛を解決する!」とかなり具体的にとんがったところまで考えて、実際にそういうユーザー候補に会って、解決策としての提供物やサービスを検討するところから始めないとダメ。この話は第2回にも似たようなことは言ったよね。

井野辺 確か、技術者も自分の技術を使ってすごーく助かったり喜んだりする「こういう人」のために活動しよう、って話でしたね。でも、それだと結局小さな市場になって大きな売り上げにつながらないのでは?

Biki 大丈夫。1人いれば、必ず10人、100人、1000人のユーザーがいて、似たような他の人たちでその新規事業を使ってくれる人がまだまだたくさんいて広がっていくから。最初の1人すら「その事業の価値」を感じてくれなければ市場もクソもない。

将来の事業領域も提案しちゃう

井野辺 カードにあった「なんでウチの会社がそんな事業をやる必要があるんだ」というケチつけかもしれないコメントに対してはどうすればいいのでしょう?

Biki まず、社員として考えなければいけないのは、「なんでこの会社が世の中に存在し続けるべきなんだろう」ということ。

井野辺 またまた大きく出ましたねー。