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Biki もし、会社の存在価値がなくなったら、その会社は要らないじゃん。その会社を持続的に存在させることのために働いているのが、社員としての第一義。人間として、じゃないよ、社員としてだよ。で、会社が存在し続けるためには、会社が世の中に合わせて変わって新たな価値を提供していかなければならない。ある既存事業だけにしがみついていたら会社は滅びる。それは全ての経営者は分かっているから、「イノベーションが必要だ」とか「新規事業が必要だ」とか言っている。

井野辺 それはそうですね。

Biki だから、「なんでウチの会社がこの事業をやる必要があるのか」については、「将来、ウチの会社が世の中の変化に合わせて○○という事業領域で新たな価値を提供するようにならならなければならない」という話を作るのが大事。

井野辺 事業領域って、事業とは違うのですか?

Biki ある事業領域の中に複数の事業があると考えていい。現時点では会社がやっていない将来の新しい事業領域を作るために、提案する新規事業がとっても役に立つというストーリーを作るんだ。

井野辺 先に言っちゃうけれど、それもトラタヌで作るのですね。

Biki そう。でも「そりゃないだろ」ではなくて「そういう事業領域も必要になるだろうし、そのためにこいつが提案しているこの事業がその入り口になったり、将来のその事業領域の一部になったりするかもしれないな」という「そうかもしれない」と思えるストーリーが作れるかがポイント。入社して10年近く会社にいれば、会社が向かうべき方向や使える社内の強みやリソースなどもなんとなく分かってきているから(というか無意識に身に染みついているから)、何とか考えられるはずだ。そして…。

井野辺 目をキラキラさせて、提案するのですね!

[♪エンディングの音楽♪]

瀬川秀樹のミニ解説

・新規事業提案に対するまっとうに聞こえる上司からのコメントの多くは単なる「ケチつけ」で、巻き込まれたくないための自己保身
・大きな売り上げ予測や会社でやる意義のトラタヌストーリーは作れる
・逃げようとしている上司を目をキラキラさせて巻き込もう

*このコラムはフィクションであり、実在する会社・社員とは関係ありません