全4193文字
PR

STEP2:ユーザビリティーの方針を決める
 実装すべき機能が決まったら、どうすれば使いやすいかを考えて方針を決めます。筆者が所属するNTTデータでは、ユーザビリティー研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンが制定した「ユーザビリティーヒューリスティック10原則」に、システム開発において蓄積してきた観点を追加して、15のユーザビリティー評価観点として「使いやすさ」を定義しています。

 この観点の中で、対象とするシステムまたは各業務で重視するユーザビリティーの観点を2つ選び、ユーザビリティー方針として掲げます。例えば経理システムを経理のプロが使用する際には、「大量のデータを扱っている」「ミスが許されない」というシーンが想定されます。この場合、照会業務で重要なことは、「H:エラーを防ぐこと」「O:画面上の情報が見やすいこと」となります。

ユーザビリティーの評価観点と重視する項目の選び方
ユーザビリティーの評価観点と重視する項目の選び方
[画像のクリックで拡大表示]

 ここで選んだ観点が達成できているかどうかを、次工程以降で実施するプロトタイピングや設計した画面をレビューする際に確認することで、ユーザーにとって重要度の高いユーザビリティーの品質を確保できるようになります。

STEP3:アクセシビリティーの方針を決める
 アクセシビリティーの対応方針もこのフェーズで決めます。戦略フェーズで洗い出したユーザーを基に、アクセシビリティーの確保が必要なユーザーや利用シーン、利用環境がないかを確認します。その結果を踏まえて対応方針を明記しましょう。

アクセシビリティー方針の考え方
アクセシビリティー方針の考え方
[画像のクリックで拡大表示]

 特に公共性が高いシステムの場合は、「アクセシビリティーJIS」への適合を目指すかどうかを決めます。また目指す場合には、目標とする適合レベルを検討する必要があります。アクセシビリティーJISの正式名称は、「JIS X 8341-3:2016(高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェアおよびサービス-第3部:ウェブコンテンツ)」であり、日本産業規格(JIS)として規定されています。

 本規格の達成レベルは、A・AA・AAAと3段階あり、各レベルで満たすべき達成基準に加え、Webコンテンツの提供者向けに、基準を満たすために必要となるプロセスも明記されています。具体的なアクセシビリティーJISの適合に向けた手順や実装方法は、「ウェブアクセシビリティ基盤委員会」のWebサイトに詳しく載っています。