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USB PD対応のモバイルバッテリーは注意が必要

 モバイルバッテリーにもUSB PD対応製品がある。ただし充電器よりも選択時と使用時の注意点が多い。

 USB PD対応であること、出力がPCの受電能力以上である点を確認する必要があるのは、充電器と同じだ。またモバイルバッテリーの場合は、PSEマークを付けて販売されていることも確認したい。通販サイトを見ると、いまだにPSEマークを付けずに売られている製品を見かける。

 一方、思っていた通りに充電できないケースもある。

 今回実際に、USB PD対応で最大45Wまで出力できるモバイルバッテリー「RP-PB159」(RAVPower、Amazon.co.jpでの販売価格は税込み7599円)で、バッテリー残量10%のm-Book U400Sを充電したところ、1時間半でバッテリー残量90%まで充電できた。

 その後も何度か充電を試したのだが、USBケーブルを挿したときに、モバイルバッテリーからPCに充電したいにもかかわらず、PCからモバイルバッテリーに充電されていることがあった。USBケーブルを挿したときに、PCの電源の状態やモバイルバッテリーのLEDを見ながら、電気の流れる方向を確認したほうがよい。

モバイルバッテリーRP-PB159でm-Book U400Sを充電した。残量10%の状態から1時間半でバッテリー残量90%まで充電できた。充電時のUSBポートの電圧と電流を確認したところ、電圧は19.8Vで電流は2.07Aだった
モバイルバッテリーRP-PB159でm-Book U400Sを充電した。残量10%の状態から1時間半でバッテリー残量90%まで充電できた。充電時のUSBポートの電圧と電流を確認したところ、電圧は19.8Vで電流は2.07Aだった
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USBケーブルを挿すと、PCからモバイルバッテリーが充電されてしまうことが何度かあった。その場合、モバイルバッテリーのLEDを確認する。RP-PB159の場合、最初に残量を示すLEDが点灯しその後消えれば、モバイルバッテリーからPCに充電している状態となる
USBケーブルを挿すと、PCからモバイルバッテリーが充電されてしまうことが何度かあった。その場合、モバイルバッテリーのLEDを確認する。RP-PB159の場合、最初に残量を示すLEDが点灯しその後消えれば、モバイルバッテリーからPCに充電している状態となる
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 また、「MacBook Pro」や「MacBook Air」などを充電できるとしているアンカー・ジャパンの「PowerCore 10000 PD」をm-Book U400Sに接続してみたが、充電できなかった。PowerCore 10000 PDの最大出力は18W(15V×1.2A)だが、m-Book U400Sがこのパワーモードを受け付けないということかもしれない。

アンカー・ジャパンの「PowerCore 10000 PD」(Amazon.co.jpでの販売価格は税込み4599円、写真手前)はUSB PD対応モバイルバッテリー。幅114×奥行き52×高さ25ミリ、191グラムで小型の部類に入る。写真奥はRP-PB159で、幅160×奥行き78×高さ23ミリ、399グラム
アンカー・ジャパンの「PowerCore 10000 PD」(Amazon.co.jpでの販売価格は税込み4599円、写真手前)はUSB PD対応モバイルバッテリー。幅114×奥行き52×高さ25ミリ、191グラムで小型の部類に入る。写真奥はRP-PB159で、幅160×奥行き78×高さ23ミリ、399グラム
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 USB PDはスマホでも活用でき、その場合も充電時間を大幅に短くできる。最新の「Xperia」シリーズや「Galaxy」シリーズ、「Pixel 3a」シリーズといったAndroidスマホが対応している。

 iPhoneも、USB PDに対応しているか、同様の充電機構を搭載しているようだ。アップルは、USB PDに対応する電源アダプターを使うと、iPhone 8以降は30分でバッテリー残量50%までバッテリーを充電できると説明している。ただし、付属の充電器やケーブルではUSB PDを利用できず、両端がLightningとUSB Type-Cの「USB-C - Lightningケーブル」(アップル、長さ1メートルで直販価格は税別1800円から)を使う必要がある。

 試しに、PowerCore 10000 PDでバッテリーが完全に無くなった状態のiPhone XS Maxを充電したところ、30分でバッテリー残量を51%まで回復できた。チェッカーを使ってUSBの電力を確認すると、iPhoneのバッテリー残量が80%になるまでは急速充電を利用できるようだ。80%まで1時間もかからず充電できるので、かなり便利といえる。

iPhoneの場合、USB PD対応の充電器やモバイルバッテリーと、USB側がUSB Type-CのLightningケーブルが必要。アップルも「USB-C - Lightningケーブル」として販売している
iPhoneの場合、USB PD対応の充電器やモバイルバッテリーと、USB側がUSB Type-CのLightningケーブルが必要。アップルも「USB-C - Lightningケーブル」として販売している
(撮影:田代祥吾)
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PowerCore 10000 PDとUSB-C - Lightningケーブルを使い、バッテリーが切れ完全に停止したiPhone XS Maxを充電したところ、30分で残量51%まで回復できた
PowerCore 10000 PDとUSB-C - Lightningケーブルを使い、バッテリーが切れ完全に停止したiPhone XS Maxを充電したところ、30分で残量51%まで回復できた
(撮影:田代祥吾)
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田代 祥吾(たしろ しょうご)
PC周辺機器メーカーから日経WinPC編集部を経て、現在はフリーランスライターとして活動。日経PC21や日経パソコンなどで記事を執筆している。得意ジャンルはパソコンやスマートフォン、自動車、アキバ系サブカルチャーなど。