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 米国からの激しい攻撃にさらされている中国ファーウェイ(華為技術)。携帯電話基地局で世界1位のシェアを誇り、スマートフォン(スマホ)出荷台数では2018年に米アップル(Apple)を抜いて世界2位に躍り出た。そんな同社に対して、米国政府調達からの排除のみならず、米国企業は製品調達の停止や、米国部品・技術の輸出を禁じる措置を講じた。

ファーウェイの主要サプライヤー(2018年)
ファーウェイの主要サプライヤー(2018年)
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5G覇者を目指す

 米国政府がファーウェイの締め出しを急ぐ狙いは、次世代通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」分野におけるファーウェイの躍進を阻害することにほかならない。5G分野ではファーウェイは米国が恐れるほどの実力を備えている。5G標準に関する主要企業の特許の件数で、ファーウェイは1970件(2018年末時点)と最も多い。

5G標準に関する主要企業の特許出願件数(自己申請、2018年末まで)
5G標準に関する主要企業の特許出願件数(自己申請、2018年末まで)
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 ファーウェイは2009年から5Gに関するR&D(研究・開発)をスタートし、5G時代への布石を着々と打っている。同社の目標は最初から明確だ。「2Gではフォロー」「3Gでは突破」「4Gでは同調」し、「5Gでリード」することを目指す。

 この目標達成に向けてファーウェイは多額のR&D費用を投じ、5Gに関する技術開発や標準の策定、5G分野での企業連盟の推進、5G戦略の提言、商用化トライアルなどの努力を続け、優位性を獲得してきた。ファーウェイ創業者の任正非氏は直近のインタビューで、5Gにおいて、「ファーウェイは他のプレーヤーを少なくても2~3年はリードしている」と明言している。

 海外では、2015年の欧州研究所の設立を機に、欧州の5G関連団体「5G-PPP(5G Infrastructure Public-Private Partnership)」に参加。欧州を重点地域と位置付け、標準化や実証実験などで積極的に活動してきた。欧州の5G市場の制覇を目指す。