全2555文字
PR

イノベーション創出に挑む

 実際に3つのトレンドを背景に、海外のヘルステック・スタートアップ企業が「医療機関のイノベーション」、「一般消費者向けのイノベーション」「患者向けのイノベーション」などに挑んでいる。

 医療機関のイノベーションでは、医療機関向けにBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を提供するスタートアップ企業の米VillageMDがある。医師や看護師の派遣とともに、患者が来院してからのコミュニケーションの取り方から診察、処方に至るプロセス全体を受託している。そこで得たデータを統計解析することで、業務自体の効率化はもちろん、患者にとってより臨床価値の高いプロセスに改善している。

 一般消費者向けのイノベーションでは、より個別化されたサービスの提供に海外のスタートアップ企業が挑んでいる。予防段階でチャットボットや音声での健康相談が受けられるAIドクターを提供する英Babylon Healthや、全エクソーム解析まで実施するB2C(消費者向け)遺伝子検査の米Helixなどがある。

 患者向けのイノベーションでは、製薬企業と協業してAIやIoT、モバイル端末を活用した服薬管理支援を手掛ける米Pear Therapeuticsや米Proteus Digital Healthなど、治療に直接的な貢献を目指すスタートアップ企業が増えてきた。

 この他に、海外と日本では医療保険制度が異なるため直接の参考にはならないが、健康経営や予防に関する「保険者のイノベーション」や、電子カルテを含めた健康医療情報の相互運用性や各種コンプライアンス対応支援といった「医療インフラのイノベーション」を手掛けるスタートアップ企業が増えている。イノベーションの加速度という面では、「医療画像解析」や「プレシジョン・メディシン」の領域が顕著である。