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 フランス南部の地中海に面するリゾート地、モンペリエで「l’Arbre Blanc(ラルブル・ブラン、白い木の意味)」が話題だ。建築家・藤本壮介氏とフランスの若手建築家達がコラボレーションして設計した集合住宅で、2019年7月に竣工。バルコニーとパーゴラが多方向に突き出ている大胆なデザインは早くも街のランドマークとなり、市民や観光客を魅了している。

フランス・モンペリエの新たなランドマークとなった「ラルブル・ブラン」。敷地近くを流れるレズ川沿いの遊歩道の階段から見上げた(写真:武藤 聖一)
フランス・モンペリエの新たなランドマークとなった「ラルブル・ブラン」。敷地近くを流れるレズ川沿いの遊歩道の階段から見上げた(写真:武藤 聖一)
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住宅のバルコニーからモンペリエの市街地を望む(写真:武藤 聖一)
住宅のバルコニーからモンペリエの市街地を望む(写真:武藤 聖一)
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 モンペリエは学園都市としても知られる人口約27万人の街だ。市の中心部は海岸線から10kmほど入った内陸部にある。パリからだと高速鉄道TGVを利用して最速3時間半でアクセスできる。

レズ川に架かる歩道橋から見るラルブル・ブラン。右の建物はモンペリエ大学図書館(写真:武藤 聖一)
レズ川に架かる歩道橋から見るラルブル・ブラン。右の建物はモンペリエ大学図書館(写真:武藤 聖一)
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レズ川越しに見るモンペリエ市街地。街中には高い建物があまり見当たらない(写真:武藤聖一)
レズ川越しに見るモンペリエ市街地。街中には高い建物があまり見当たらない(写真:武藤聖一)
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 市街地の東側を流れるレズ川沿いに、建物の敷地はある。ロータリーに面したエントランスを入ると、左側にサービスカウンターとオフィスが見える。エントランスの正面に構えた2基のエレベーターで、上下階にアクセスできる。

建物のエントランスホールとサービスカウンター(写真:武藤 聖一)
建物のエントランスホールとサービスカウンター(写真:武藤 聖一)
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 建物は地下3階・地上17階建てで、高さは約54m、延べ面積1万225m2だ。113戸の住宅ユニットを持ち、地下3層は駐車場、地上1、2階はバーやレストラン、アートギャラリーを配置。屋上には、一般市民が利用できるバーを設けた。

 13年に市議会は市の建築遺産となるようなタワーの建設を決議し、指名コンペを実施した。市のRFP(提案依頼書)を受け取ったNicolas Laisné(ニコラ・レン)氏とそのパートナーDimitri Roussel(ディミトリ・ルーセル)氏、仏設計事務所OXO ArchitectsのManal Rachdi (マナール・ラクディ)氏の3人は、藤本壮介氏に参加協力を依頼。東京に集まってデザインを協働し、ラルブル・ブランの案をまとめた。

アクソメ図(資料:Sou Fujimoto Architects)
アクソメ図(資料:Sou Fujimoto Architects)
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 合同チームには、現在、藤本壮介建築設計事務所パリ事務所の責任者を務めるMarie de France(マリー・デュ・フランス)氏も参加した。3Dモデルを使ってシミュレーションを繰り返し、大木のような形状で、居住者と一般市民の共用エリアを持つタワーマンションの構想をまとめた。

地上9階平面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
地上9階平面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
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地上17階平面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
地上17階平面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
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断面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
断面図(資料:Sou Fujimoto Architects)
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 そのデザインを市も気に入り、14年2月、設計者に選出された。16年6月に着工し、19年5月に竣工した。総工費は約2050万ユーロ(約25億円)だ。

上階に行くに従ってキャンチレバーのバルコニーが長く突き出している(写真:武藤 聖一)
上階に行くに従ってキャンチレバーのバルコニーが長く突き出している(写真:武藤 聖一)
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