日本航空(JAL)がVR(仮想現実)技術を使って販促や空港での接客を強化する取り組みを進めている。
その1つがハワイ旅行などのプロモーションを目的とした「JAL xR Traveler」だ。ヘッドマウントディスプレーに映す動画に香りやミスト、扇風機の風などを組み合わせて、観光地を実体験に近い形で味わえるコンテンツである。
2019年4月に報道関係者に向けて公開したハワイ旅行のプロモーションコンテンツは、現地のガイドに連れられて観光地を散策する内容だ。ヘッドマウントディスプレーの映像に合わせてコーヒーや女性の香水、海辺などの香りを放散する。
「xR」はVRやAR(拡張現実)、MR(複合現実)などの総称である。複数のセンサーを組み合わせて映像と様々な効果を連動させるシステムの全体をベンチャー企業のSOOTH(東京・港)が開発した。
視覚以外の感覚にも訴えかけて旅行先を体感
歩行シーンではウオーキングマシン(トレッドミル)の上で体験者が実際に歩ける。海辺の場面になると扇風機で風を送る。滝の場面はミスト発生器で体験者の手にミストを吹き付ける。このように視覚以外の感覚にも訴えかけて旅行先を体感できるようにした。