サイズこそ小さいものの、建設用3Dプリンターで橋を製造した会社は日本にもある。大林組だ。同社は、セメント系材料を扱える3Dプリンター技術を開発。幅50cm、奥行き25cm、高さ50cmの円弧型のブロック部材を製作し、これを合計6つ組み上げて、アーチ橋を試作した。
この3Dプリンターは、セメント系材料を吐出するノズルと、ノズルを任意の吐出位置に移動させるロボットアームなどから成る。ロボットアームには汎用品を用いている。
プリント技術の原理は、熱可塑性樹脂を押し出して積層・造形する3Dプリンターと同じだ。製作したい造形物の3次元データを積層ピッチごとの断面にスライスし、その断面データを下から1層ずつ順次プリントして積んでいく。
冒頭の橋のブロック部材では、層厚10mmの部材断面を50層積み上げるようにプログラムを設定した。1層を約20秒のペースでプリント。15分程度でブロック部材が出来上がる。