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日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、親会社である日本製鉄が社名変更したのに伴い、新日鉄住金ソリューションズから社名を2019年4月1日付で変更した。NSSOLの足元の業績は好調だが、従来型のSIビジネスは転機に来ている。デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れをどうとらえ、成長を持続させていくのか。同年4月に社長に就任した森田宏之氏に聞いた。(聞き手は日経BP総研フェロー、桔梗原富夫)

森田 宏之(もりた・ひろゆき)氏
森田 宏之(もりた・ひろゆき)氏
1982年一橋大学商学部を卒業し、新日本製鉄(現・日本製鉄)に入社。89年に新日鉄情報通信システム(現・日鉄ソリューションズ)へ出向。97年に米国法人の立ち上げを担当。2008年金融ソリューション事業本部 情報系ソリューション事業部長、12年取締役 企画部長、財務部長、16年取締役常務執行役員(産業・流通ソリューション部門、営業統括本部担当)。2019年4月より現職。(写真:陶山 勉)
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社名変更と同じタイミングで社長に就任されました。新生NSSOLをどうつくっていきますか。

 NSSOLはこれまでも常に新しいことに挑戦してきました。1980年代後半から本格的に事業を開始し、30年以上の歴史があります。その間、大きな技術変化の波を何回か経験しました。メインフレームからオープンシステムに変わり、その後、インターネットの波が来た。そしてクラウドが普及し、さらに今、DX(デジタルトランスフォーメーション)がバズワードになっています。

 当社はもともと日本製鉄のシステムを支えていたわけですが、外向けのSI事業についてはチャレンジャーでした。技術の変化をいち早くとらえ、技術を磨いて事業を切り開いてきました。今日までの成長は先輩方の努力の賜物です。その気概と企業風土を守りつつ、今後は変革のスピードをいかに上げるかが重要になると考えています。

2018年9月、経済産業省がDXレポートを公表し、「2025年の崖」が話題になりました。

 DXレポートでも指摘しているとおり、DXを推進するには2つの側面が重要になります。一つはAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)、クラウド、ビッグデータといった高度ITを活用してプロセスやビジネスモデルの変革を進めること。もう一つは、レガシーシステムを高度ITに追随できるように変えることです。

 レガシーシステムのモダナイゼーションは実は大きな課題ですが、あまり脚光を浴びていないのは、そこに投資しても直接的に富を生まないからです。しかし、このまま放っておくと、分かる人がいなくなり、ますますブラックボックス化してしまいます。

顧客のシステムのモダナイゼーションをどう支援しますか。

 日本製鉄にはレガシーシステムが数多くあり、そのモダナイゼーションを手掛けてきました。しかも高度IT活用と結び付けて進めています。その経験を生かしてお客様を支援できることは我々の大きな強みです。

 一番困るのは、あたかも魔法の杖のようなものがあって簡単にモダナイゼーションできると考えているケースです。モダナイゼーションでは、単にシステムを変えるだけではなく、お客様の業務そのものを変えることが必要になる。我々はITのプロフェショナルですが、現行の業務がどうなっているのか、業務をどう設計し直すのかまでは分かりません。

 あるべき姿「To-be像」があっても、現状が分からないと難しい。例えば、エベレストに登るといっても、東京から出発するのと、カトマンズから行くのとでは全く違います。それを見極めたうえでお客様と一体になって進める必要があります。時間とリソースをかけてどこまでやるのかを合意して始めないと、お互いが不幸になってしまいます。

 お客様は人材を含めITリソースに限りがあるでしょうから、全方位でカバーするのは無理です。そこでITアウトソーシング「NSFITOS」を提供しています。データセンター、クラウド基盤「absonne」をコアとするサービスです。お客様はNSFITOSを利用することで、企画や業務設計に専念できるメリットがあります。