
(撮影:日経 xTECH)
台湾は医療データの活用を積極的に進めている。医薬品の投与記録や検査データなどをクラウドに集約しており、医師が診断に役立てたり、検査や投薬の重複を減らしたりしている。ベンチャー企業や保険会社などもデータを活用した新たなサービスの創出に活発に動く。台湾の医療データ活用の現状を現地からリポートする。
台湾は医療データの活用を積極的に進めている。医薬品の投与記録や検査データなどをクラウドに集約しており、医師が診断に役立てたり、検査や投薬の重複を減らしたりしている。ベンチャー企業や保険会社などもデータを活用した新たなサービスの創出に活発に動く。台湾の医療データ活用の現状を現地からリポートする。
台湾の保険大手であるNan Shan Life Insurance(南山人壽)は、2019年5月に治療支援アプリを活用した糖尿病患者向け保険を発売した。アプリで血糖値や運動、食事に関するデータを入力し、一定の条件を満たせば保険料の割り引きが受けられる仕組みだ。
血糖値などのデータを記録し、医療従事者と共有するなどして、糖尿病の治療に役立てる――。このような糖尿病の患者向け治療支援アプリ「シンクヘルス」を手掛けるのが、台湾のベンチャー企業のH2である。同社は台湾を中心に日本やシンガポールなどでも事業を展開しており、全体で約30万人が同アプリを利用していると…
「データを活用して質の高い医療を提供することで、他の医療機関と差異化できる」――。医療データの活用を行政が推進する台湾では、現場の医師も活用に積極的だった。台北市内から車で30分ほどの場所にある「YI-ER Clinic」で、糖尿病の患者などを診ている医師のCharlie Chou氏にとって、医療…
台湾では医療データをクラウドに集約して積極的に活用している。検査画像の集約も始まるなどシステムは進化を続けており、将来はデータを活用した新たなサービスの創出につなげていく。