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 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、ITリサーチ企業が4月に入って相次ぎ「2020年のIT支出はマイナス成長」との予測を公表し始めた。

 感染が中国や欧州の一部にとどまっていた2月末、米フォレスターリサーチは「経済やIT市場への影響の全容は現時点では見えていない」としながらも「過去の自然災害やSARS(重症急性呼吸器症候群)流行の経験から、影響は短期で局所的に終わる」としていた。

 同じ2月末、米IDCは1月に示していた、2020年の世界IT支出は5.1%増(為替変動の影響を除く)という予測を4.3%増に引き下げた。さらに1カ月後の3月末、米国で感染が急拡大したことを受け、IT支出は3.7%増、悲観的に見積もれば1.3%増に低迷するとした。この段階でもIT支出はプラス成長を維持すると見ていた。

 1週間後の4月2日、IDCは「コロナ禍が押し下げ、2020年の世界IT支出は2.7%減になり、リーマン・ショック以来のマイナスになる」と発表した。2019年のIT支出は4.8%増だった。なお2009年のIT支出は2008年と比べて4.2%減に落ち込んでいた。

 ロックダウン(都市封鎖)を伴う今回の経済損失は「大恐慌以来、最悪の不況を経験する危険がある」(国際通貨基金)と言われている。だが現時点で、IT支出の予測減少率はリーマン・ショック時の実績減少率ほど深刻ではない。