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 「夢がある。それが成就したら社長を辞める」。中国のITベンダー、インスパーグループ(浪潮集団)が2020年3月に設立したインスパージャパンの王遠耀社長は、5月に社長に就任したばかりなのにそう語る。

 王社長は夢の中身については何も語らない。だがインスパーが欧米でしてきたことから察しがつく。インスパーの狙いはおそらく、日本のサーバーメーカーと日本国内で合弁を立ち上げ、低コスト高品質のx86サーバーをODM(相手先ブランドによる設計・製造)などで供給することだろう。

 インスパーはPowerプロセッサー搭載サーバーの製造・販売で米IBMと、ネットワーク機器で米シスコシステムズ、通信機器でスウェーデンのエリクソンなどと、中国内に合弁事業を展開してきた。合弁会社の株式の過半はインスパーが保有する。インスパーは合弁相手の技術やノウハウを吸収し、今や連結売上高約2兆円の企業に成長した。インスパー本社に加え、ソフトウエア、システムインテグレーション、IT部品調達の3子会社が上場しており、税務処理専業のクラウドサービス子会社が上場予定だ。従業員は約4万人で、製造拠点は中国内に3つ、米国に2つ、欧州(ハンガリー)に1つを構える。研究開発センターは世界に8カ所、コールセンターは2カ所ある。

 中国政府が38%を出資するインスパーの収益は大半がサーバー関連。「サーバーの89%が中国向けで、米国は5%。米国はODMのみで自社ブランド製品の販売はしない」と王社長。米マイクロソフトのデータセンターに隣接して組立工場を構え、米アップルや米グーグルにも納めていると国内のクラウドウォッチャーが明かす。