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 「何が必要で、何がいらないのか」。かつてダウンサイジングの波に翻弄されて以降、米IBMの歴代CEO(最高経営責任者)は自らに問い、必要な事業を買収、いらない事業を切り離し、技術の変化に適応しようとしてきた。

 今年4月に着任したアーヴィンド・クリシュナCEOが10月に出した答えは「米レッドハット買収を起爆剤として成長路線に戻し、マネージド・インフラストラクチャー・サービス(MIS)事業を分社する」だった。MISはアウトソーシングやホスティング、インフラ(サーバーやネットワーク)の管理や監視、システムのモダナイゼーションを請け負う事業で売上高は年間190億ドル、9万人の従業員を抱える。

 2019年通期決算でIBM全体の利益率は15.8%だったがMISを含むGTS(グローバル・テクノロジー・サービス)を外して計算すると21.1%に高まる。2019年通期の売上高は対前年比3.1%減だったがレッドハットを加えMISを分離して再計算すると0.7%減で、もうひと頑張りでプラス成長が見えてくる。

図 IBMの全売上高とGTSの売上高
図 IBMの全売上高とGTSの売上高
レガシーサービス新会社の事業規模はIBMの4分の1
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 規模は大きいが利益率も成長率も高くないMISを切り離すわけで国内ITサービス大手の役員は「IBMの分社は顧客の利点が感じられない。技術やソリューションの話ではなく財務上の打ち手だ」と指摘した。