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 HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)の第57回国際会議「ISC2021」で2021年6月28日、TOP500(Linpack倍精度演算性能)が発表され、富士通と理化学研究所のHPCマシン「富岳」が3連覇を果たした。HPCG(実アプリケーション性能)、HPL-AI(人工知能アプリケーション性能:Linpack単・半精度演算性能)、Graph500(ビッグデータ解析性能)も含めた4冠を3回連続で見事獲得した。開発・製造に1100億円を投じた成果である。

エクサスケールが3機種登場へ

 だがHPCの開発競争は激しさを増している。米国エネルギー省の管轄下にある研究所に入る、1台当たり5億~6億ドルかけた3機種のうち1~2機種が2021年11月のHPC国際会議でデビューする。富岳は少なくともTOP500の首位を明け渡す公算が大きい。

 登場が確実視されているのは、オークリッジ国立研究所の「Frontier(フロンティア)」。米AMD製CPU/GPUのハイブリッドアーキテクチャー機で、HPC老舗の米クレイを買収した米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が開発・製造を担当する。Linpack倍精度演算の論理性能(ピーク性能)が1.5エクサフロップスとされ、ハイブリッド機の効率性を7割弱とみるなら実測値で1エクサフロップスと富岳の2倍強を達成しそうだ。CPUだけの富岳の効率性は82.3%、1世代前の「京」は93.2%だった。

 アルゴンヌ国立研究所が米インテルに発注した「Aurora(オーロラ)」はインテル製CPU/GPUのハイブリッド機。こちらもHPE/クレイが組み立てて納める。ピーク性能は1.3~1.5エクサフロップスと目され、実測値は1エクサフロップス前後となろう。ただしインテルのチップ製造が遅れており、登場は2022年にずれ込む可能性がある。