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 コンピューター史上、最も醜い争いの1つとされる米オラクルと米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の訴訟合戦が10年を超えた。2011年6月に当時のヒューレット・パッカード(旧HP)がオラクルを提訴して始まった係争は旧HPの企業分割によりHPEが引き継いできた。

 米カリフォルニア州最高裁判所は2021年9月末、「オラクルがHPEに30億ドルの損害賠償を支払う」としたサンタクララ郡上級裁判所の決定に対してオラクルが求めていた控訴の再検討要求を却下した。

Itaniumのサポート中止が発端

 経緯を振り返ろう。オラクルが2011年3月に、米インテルのItanium向けのソフトウエア開発を中止すると発表したところ、Itanium搭載サーバーを手掛ける旧HPがオラクルを提訴した。2012年8月にオラクルが敗訴し、Itanium向けの製品開発とサポートを続けることになった。

 2016年5月にHPEはオラクルの開発中止発表によって損害を受けたとして賠償を要求。同年6月にサンタクララ郡上級裁判所がHPEの主張を認め、30億ドルの支払いを命じていた。

 オラクルは同じカリフォルニア州最高裁に上訴できる。ただしItaniumの製造をインテルが2021年で打ち切ると発表していることもあり、これ以上の争いは不毛と見る向きもある。

 両社の戦いが醜いと評されるのはもう1つの係争が重なったからだ。旧HPは2010年9月、米オラクルの共同社長に就任したマーク・ハード氏を提訴。旧HPの会長兼CEO(最高経営責任者)から解雇されたハード氏をテニス仲間だったオラクルのラリー・エリソン会長が迎え入れていた。機密情報の筒抜けを憂慮した提訴だったが2010年9月20日に和解。2011年8月に今度はオラクルが旧HPを虚偽行為で訴えた。和解交渉中、旧HPが元オラクル社長のレイ・レイン氏を会長に迎える人事を伏せていたとしている。