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 「IBMの捕虜(captive)ではなくなり自由を得た。アクセス可能な市場は2倍に増えた」。米キンドリル・ホールディングスのデイビッド・ワイシュナーCFO(最高財務責任者)はニューヨーク証券取引所に上場した2021年11月4日、「独立宣言」を米メディアで述べた。物流会社から迎えられたワイシュナーCFOならではの発言で米IBM出身者なら言えなかっただろう。

 だが日本IBMで営業経験のあるコンサルタントは「見返してやるという気骨が感じられるが現実は厳しい」とみる。同氏によると米投資会社のアライアンス・バーンスタインは10月、キンドリルの年商が現在の200億ドル弱から将来100億ドルを切るかもしれないというリポートを出した。極めて厳しい予測になったのは財務状況と顧客や同業他社の反応からだという。同氏は「成長せず利益も出ないレガシーサービスをIBMが放り出したのはうなずける」と続ける。

 確かに売上高は減り続けている。キンドリルは11月22日、米SEC(証券取引委員会)に業績を報告した。2021年度(1~12月)売上高は185億ドルから187億ドルを見込む。キンドリルが9月末にSECに報告した実績と比べると2018年比で15%減、2020年比で4%減だった。

 筆者の調べではキンドリルの事業に相当するIBMの「マネージド・インフラストラクチャー・サービス(MIS)」の売上高のピークは2011年の334億ドルであり、これと比べると2021年度は44%減となる。ピーク時から2020年までの平均成長率はマイナス5.9%。SEC向け資料には直近の2年間で顧客が700社減ったという記載もあった。

図 「マネージド・インフラストラクチャー・サービス(MIS)」売上高の推移
図 「マネージド・インフラストラクチャー・サービス(MIS)」売上高の推移
2011年をピークに下降
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