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 宣戦を布告したのは米アマゾン・ウエブ・サービス(AWS)だった。アダム・セリプスキーCEO(最高経営責任者)は2021年11月29日から米ラスベガスで開催したカンファレンス「re:Invent」の基調講演で「メインフレームは高価だ。複雑だ。COBOLのプログラミングを学ぶ人は少なくなっている。顧客の多くはできるだけ早くメインフレームから離れ、クラウドの俊敏性と弾力性を手に入れようとする」と述べ、IBM zの複雑なアプリケーションをAWSに移行するための多くの作業をリファクタリングとリプラットフォームの形で提供する「AWSメインフレーム・モダナイゼーション」を発表した。

 この発言から1週間後の12月8日、米IBMはメインフレームzの顧客がオープン・ハイブリッド・アーキテクチャーのもと、アプリケーションやデータ、プロセスのモダナイゼーションを加速できるよう支援する「IBM zアンド・クラウド・モダナイゼーション・センター」の新設を発表した。同センターには仏キャップジェミニなど多くのソフトウエアやサービスのパートナーが集まる。メインフレームで闘ってきた富士通も参加する。IBMから独立した米キンドリルはなぜか参加していない。

 クラウドに詳しいコンサルタントの中井雅也氏は「クラウドが生まれてざっと15年、いよいよIBMの生命線とも言えるメインフレームを巡る攻防が始まる。AWSは米ニューヨーク・タイムズのメインフレーム移行で70%のコスト削減を実現したとしておりモダナイゼーションに自信を深めている。まずは情報系から攻めるだろう。人工知能(AI)やデータ分析などのミドルウエアがクラウド上で充実しているからだ。ただしいわゆる勘定系のクラウド移行はハードルが高そうだ」と話す。